研究課題/領域番号 |
08404027
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
超高層物理学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
松本 紘 京都大学, 超高層電波研究センター, 教授 (00026139)
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研究分担者 |
小嶋 浩嗣 京都大学, 超高層電波研究センター, 助教授 (10215254)
大村 善治 京都大学, 超高層電波研究センター, 助教授 (50177002)
橋本 弘蔵 京都大学, 超高層電波研究センター, 教授 (80026369)
岡田 裕子 千葉大学, 工学部, 助手 (70184934)
臼井 英之 京都大学, 超高層電波研究センター, 助教授 (10243081)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1999
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キーワード | 磁気圏 / プラズマ波動 / 計算機実験 / 波形解析 / 非線形波動粒子相互作用 / GEOTAIL衛星 / 粒子モデル / 静電孤立波 |
研究概要 |
平成4年度に科学衛星GEOTAILが打ち上げられ、プラズマ波動の波形観測が可能になり、その時間および空間変化に含まれる非線形性を抽出して解析できるようになった。本研究では、磁気リコネクションを含む境界層の物理において、電子プラズマ波動は本質的に重要である。本研究では、特に電子モードの電磁波、静電波に着目し、そこに内在する電磁界の飽和、プラズマの乱流、トラッピング、熱化、加熱・加速などのミクロな非線形波動力学過程を計算機実験により明らかにし、そこで得られた知見を衛星データの解釈にフィードバックをかけ、磁気圏物理学に残された重要な非線形問題を解決することを目指した。特にプラズマ波形データに対し、パターン認識等の様々な角度から多元解析を行い、計算機実験と組み合わせることにより、ミクロ非線形過程を解明することを試みた。 具体的には、高帯域静電ノイズ(BEN)、狭帯域静電ノイズ(NEN)、電子サイクロトロン高調波(ECH)、非線形ラングミュア波について、波形データから得られる位相・振幅情報と、計算機実験結果とを融合することによりプラズマ波動の発生機構、非線形過程に内在するミクロな物理素過程を解析した。 特に、広帯域静電ノイズ(BEN)の解明は本研究の重要な成果である。我々は、GEOTAIL波形観測からBENの波形が静電孤立波であることを明らかにし、既出の理論は全く誤りであることを示した。また、1次元計算機実験により、この静電孤立波は、電子ビーム不安定性により励起される非線形定常解(BGKモード)であることを明らかにした。この静電孤立波の定量的な統計解析を行うために、「ビットパターン」を用いて参照波形とのビット毎の排他的論理和をとることにより自動的に静電孤立波のみを抽出する手法を開発した。これによりパルス幅とデバイ長の関係、パルスの伝搬方向と電子ビームの関係などを定量的に明らかにし、計算機実験によって提唱されていた発生モデルとよく一致することを示した。
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