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1998 年度 実績報告書

洪水玄武岩マグマの成因に関する実験的研究

研究課題

研究課題/領域番号 08404032
研究機関東京大学

研究代表者

藤井 敏嗣  東京大学, 地震研究所, 教授 (00092320)

研究分担者 安田 敦  東京大学, 地震研究所, 助手 (70222354)
キーワード洪水玄武岩 / 海洋地殻 / 高圧実験 / 元素分配 / 複合プルーム
研究概要

昨年度までに行った海洋性地殻物質(MORB)およびデカン洪水玄武岩に関する溶融実験の補足的実験を行った.これによって,3ー5Gpaの圧力下での玄武岩質マグマにおけるガーネット,単斜輝石,液の量比が温度・圧力の関数として求められた.この結果とこれまでに公表されている鉱物ー液間の微量元素分配係数を使って,海洋地殻物質の部分溶融度と液中ヘの微量元素の濃集度との関係を求めることが可能となった.ペリドタイトシステムにおいてはこれまでに公表されている元素分配と溶融相関係から,同様に部分溶解度と液中ヘの微量元素の濃集度との関係を求めた.これらの結果を利用し,ペリドタイトー海洋地殻複合プルームモデルから予想されるマグマ組成の検討をおこなった.この結果,デカン洪水玄武岩に代表される洪水玄武岩が,ペリドタイトー海洋地殻複合プルームの溶融によって生じると考えると,主化学組成だけでなく微量元素濃度の点でも十分に説明できることが分かった.また,マントルペリドタイトの部分溶融のみでは洪水玄武岩にみられる微量元素の特徴を説明できないことも明確になった.さらに,この様なペリドタイトー海洋地殻複合モデルがマントル内を上昇できるかどうかの密度・粘性の物理約性質を考慮した力学的制約条件を計算機実験により検討した.上述の化学的制約と力学的制約との組み合わせにより,デカン玄武岩のうち最も始源的なマグマは海洋地殻物質を約10%含む複合プルームが3Gpaの圧力で溶融した場合に生じるマグマと考えることができることが分かった.また,他の洪水玄武岩や海洋島玄武岩についてもその化学組成を検討した結果,ペリドタイト/海洋地殻比の異なる同様のペリドタイトー海洋地殻複合プルームの融解によって説明できる可能性が判明した.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] A.Yasuda and T.Fujii: "Ascending subducted oceanic crust entrained within mantle planes" Geophys.Res.Lett.25. 1561-1564 (1998)

  • [文献書誌] 藤井 敏嗣: "洪水玄武岩マグマの噴出" 「大学と科学公開」シンポジウム講演収録集『マグマと地球』. 56-66 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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