研究課題/領域番号 |
08404040
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
大峰 巌 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60146719)
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研究分担者 |
松本 正和 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (10283459)
斉藤 真司 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (70262847)
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キーワード | 水 / 氷 / プロトン移動 / 分子論的機構 / 大域的ポテンシャルエネルギー面 / 集団運動 / 揺らぎ / 超高速高次非線型分光 |
研究概要 |
我々は本研究で次の3つのことを明らかにした。 1.液体の水または氷の中のプロトン移動の分子論的機構の解明を行い水の中のプロトン移動においては3配位の水分子が大切な役割をしている。即ち水の中のネットワークの揺らぎで作られた3配位の水分子の上をプロトンは選択的に移動して行く。またプロトンが移動する2つの水分子間のO…O間距離は収縮する。一方氷の中では、これら3配位の水O…O間の収縮は起こりにくいが、氷の中のプロトン移動は水の中よりも速いことがしられている。実際計算してみると、氷の中ではプロトンのついた水分子は構造的には4配位している。しかしエネルギー的にはその1つの水素結合が強い斥力となっており3配位構造となっており、さらにその斥力によってその反対側のO…O間距離が短くなっており、これが氷の中のプロトン移動を容易にしている原因であることを見つけた。 2.水素結合ネットワークの構造変化に伴う、水分子の集団運動と1/fタイプの揺らぎ、またそれらが実験として如何に超高速次非線型分光に反映されるか、を理論的に検証した。 3.液体におけるポテンシャルエネルギー面は、Fragile Liquidの性質を持ち、その上での系の運動はSluggishである。従って温度が下がればその様な乱れたゲル構造にトラップされアモルファス氷になるはずであるが、一般的な条件下では結晶氷に凍る。我々は大域的なポテンシャルエネルギー面の様相を調べることによって水が如何に最小エネルギー状態を見つけているかを明らかにした。其の結果、大域的には最低エネルギー状態に向かってポテンシャルエネルギー面が漏斗型をしているのが分かった。この様に最低エネルギー状態に向かうドライビングフォースがあり効率良く水の結晶化がおこる。ポテンシャルエネルギー面にはBottleneckがあり、ここで運動を止めることが出きればアモルファス氷を作ることができる。
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