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1996 年度 実績報告書

フラーレンネットワーク生成機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 08404041
研究機関東京都立大学

研究代表者

阿知波 洋次  東京都立大学, 理学部, 教授 (20002173)

研究分担者 鈴木 信三  東京都立大学, 理学部, 助手 (10226516)
城丸 春夫  東京都立大学, 理学部, 助教授 (70196632)
キーワード高次フラーレン / 金属内包フラーレン / 単層ナノチューブ / 生成機構
研究概要

平成8年度に得られた主な研究成果を以下に述べる。(1)高温炉レーザー実験法を用いて高次フラーレン類の生成過程に温度が最も重要な役割を果たしていることを再確認した。また単層ナノチューブ生成との関連として、Ni/CoやRh/Pdなどを含む炭素ロッドについて同様の実験を行い、それぞれの条件で得られたチューブについてラマンスペクトルの測定を行った結果、単層ナノチューブの生成過程においても温度が重要な因子であることが初めて明らかとなった。さらにこれまであまり調べられていなかった溶媒に溶けないスス状物質(石英管内部に付着したスス)の飛行時間型質量スペクトルの解析から、フラーレン類が生成する時に特徴的な質量分布が出現することを見出した。(2)金属内包フラーレンSc_2@C_<84>の2種類の構造異性体について、それぞれの^<45>Sc-NMRの測定に成功し、その結果から少なくとも一種類の構造異性体については2個のSc原子が常温では磁気的に非等価な環境にあり、温度の上昇とともにゆっくりとした殻の内部での交換運動を起こすことをつきとめた。一方高温炉レーザー実験の結果からは、金属内包フラーレン類の生成についても温度が重要な役割を果たしていることが示唆された。(3)レーザー蒸発法と光電子分光法を組合わせた実験により、レーザー蒸発の条件を変化させることによって得られる光電子スペクトルの形状が異なる理由が、レーザー蒸発法によって生成される炭素クラスター負イオンの構造異性体(直鎖状及び環状構造)の存在比の変化によって説明できることを示した。またレーザー蒸発した中性炭素クラスターについて真空紫外レーザー光を用いた一光子イオン化を行い、得られた質量スペクトルから小さなサイズの中性炭素クラスターはよりサイズの大きな炭素クラスターから解離して生成している可能性が高いと結論した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] T.Moriwaki et al.: "Collision-induced electron detachment of carbon clusters" Z.Phys.D. 37. 169-174 (1996)

  • [文献書誌] Y.Negishi et al.: "Reactions of carbon-silicon binary cluster ions" Sur.Rev.Lett.3(1). 661-665 (1996)

  • [文献書誌] T.Wakabayashi et al.: "C_2-loss fragmentation of higher fullerenes and metallofullerenes" Sur.Rev.Lett.3(1). 793-798 (1996)

  • [文献書誌] Y.Kawada et al.: "Application of a single-accelerating TOF method to collision experiments of cluster ions with solid suffaces" Sur.Rev.Lett.3(1). 869-873 (1996)

  • [文献書誌] S.Suzuki et al.: "Time-of-flight mass and photoelectron spectroscopy stndy of LaCn^-" Z.Phgs.D.(in press).

  • [文献書誌] S.Suzuki et al.: "Photoionization/fragmentation of endohedral fullerenes" Z Phgs.D.(in press).

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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