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1999 年度 実績報告書

人類および近縁霊長類の遺伝的多様性と遺伝的未来

研究課題

研究課題/領域番号 08404052
研究機関総合研究大学院大学

研究代表者

高畑 尚之  総合研究大学院大学, 先導科学研究科, 教授 (30124217)

研究分担者 宝来 聰  総合研究大学院大学, 先導科学研究科, 教授 (40126157)
颯田 葉子  総合研究大学院大学, 先導科学研究科, 助教授 (20222010)
キーワード人類進化 / 平衡選択 / 塩基多様度 / 組み換え率 / 祖先集団 / MHC(主要組織適合性抗原)
研究概要

本年度は、以下の3点に焦点をあてて研究を行った。
(1)分子レベルからみた人類進化に関する一般書の執筆
ドイツマックスプランク生物学研究所のヤン・クライン博士と共に計画してきた人類進化に関する一般書「Where do we come from?:The molecular evidence for human descent」の今年度中の執筆完成を目標にしてきた。3月には最終打ち合わせのためドイツに3週間滞在し、執筆内容を詳細にわたり議論した。本書は10章から成り、本年中には脱稿する運びである。
(2)MHC遺伝子座の周辺領域の多型
MHC遺伝子座の周辺領域ではMHC遺伝子座に働く平衡選択のため塩基多様度が他の領域と比較して著しく上昇している。この塩基多様度は自然選択の標的部位との組み換え頻度に大きく依存している。このことを利用してヒトMHC遺伝子座の周辺領域の組み換え率の推定を行った。その結果ヒトMHCの領域内は組み換え率に関してモザイク状態になっていることが明らかになった。
(3)ヒト・チンパンジー・ゴリラの系統関係
1997年には遺伝子座の塩基配列から霊長類各種の分岐時間と当時の祖先集団の遺伝的多様性の推定を行った。本年度はこの研究の発展を進めた。ヒト・チンパンジー・ゴリラに関しては共通した45遺伝子座の比較が可能となっている。その結果、ヒトに一番近い霊長類はチンパンジーであることが確かとなったがこの結論をうるには遺伝子内組み換えを考慮することが不可欠であることを示した。この研究はこれまでの分子系統学において完全に見過ごされてきた遺伝子進化の一断面を初めて指摘した点に特色がある。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Yoko Satta: "Molecular clock and recombination in primate Mhc genes"Immunological Reviews. 167. 367-379 (1999)

  • [文献書誌] Heike Kupfermann: "Evolution of Mhc-DRB Introns : Implications for the Origin of Primates"Journal of Molecurar Evolution. 48. 663-674 (1999)

  • [文献書誌] Yi-Ju Li: "Paleo-demography of the Drosophila melanogaster subgroup : application of the maximum likelihood method"Genes Genet Syst.. 74. 117-127 (1999)

  • [文献書誌] Yoko Satta: "DNA Archives and Our Nearest Relative: The Trichotomy Problem Revisited"Molecular Phylogenetics and Evolution. 14. 259-275 (2000)

  • [文献書誌] Yoko Satta: "Polymorphism in the HLA class I region"Major Histocompatibility Complex Evolution, Structure, and Function. 178-185 (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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