• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1998 年度 実績報告書

藍色細菌の生物時計遺伝子の分子遺伝学的解析

研究課題

研究課題/領域番号 08404053
研究機関名古屋大学

研究代表者

近藤 孝男  名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10124223)

研究分担者 石浦 正寛  名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20132730)
キーワードシアノバクテリア / 概日時計 / 時計遺伝子 / ネガティブフィードバック / 古細菌 / 蛋白質相互作用 / 系統発生
研究概要

<kai時計遺伝子のクローニングとその振動モデル>ゲノムライブラリーによる遺伝的相補により、多くの突然変異を相補する新規の遺伝子群kai(回)のクローニングに成功した。この遺伝子上の変異は概日時計を様々に変化させ、遺伝子破壊や過剰発現はリズムを消失させる。さらに発光レポーターによる解析から、この遺伝子群はkaiAおよびkaiBC上流部のプロモーター活性により転写されていることを見いだした。つぎに各遺伝子の破壊および過剰発現の効果を調べたところ、kaiC遺伝子の発現が自己の産物蛋白質KaiCにより負のフィードバックを受け、KaiA蛋白質は逆にkaiC遺伝子の発現を促進させる働きを持っていることが判明した。さらにkaiCの一時的な過剰発現は大きな位相変位を起した。これらの結果からkaiC遺伝子発現の自己制御がシアノバクテリアの概日振動の発生原因であり、KaiA蛋白質は振動を持続させているとする振動モデルを提示することが出来た(Science1998)。
<KaiA,B,C蛋白質の動態とその生化学的機能>3つのKaiA,B,C蛋白質は酵母の癌two hybrid系およびin vitroの結合試験から様々な相互作用をすることが確認された。さらにシアノバクテリアの細胞内でも相互作用することが確認された。また点突然変異により結合が変化することも確認され、これらの相互作用が振動発生機構に重要であることが示唆された(印刷中)。
<kai時計遺伝子の発現解析>kaiAおよびkaiBC上流部域を調査し、夫々に顕著なbasal elementとnegative elementがあることを確認した。またkai遺伝子の発現を制御する因子の同定するためこれらの発現を変化させる突然変異を単離した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Kondo,T.: "Circadian rhythms in rapidly dividing cyanobacteria." Science. 275. 224-227 (1997)

  • [文献書誌] Aoki,S.: "Circadian rhythm of the cyanobacterium Synechocystis sp.PCC 6803 in the dark." J.Bacteriol. 179. 5751-5755 (1997)

  • [文献書誌] Kutsuna,S: "A Period-Extender Gene pex that Extends the Period of the Circadian Clock in the Cyanobacterium Synechococcus sp.Strain PCC 7942." J.Bacteriol. 180. 2167-2174 (1998)

  • [文献書誌] Quyan,Y.: "Resonating circadian clocks enhance fitness in cyanobacteris." Proc.Natl.Acad.Sci.95. 8660-8664 (1998)

  • [文献書誌] Ishiura,M.: "Expression of a Gene Cluster kaiABC as a Circadian Feedback Process in Cyanobacteria." Science. 281. 1519-1523 (1998)

  • [文献書誌] Iwasaki,H.: "Physical Interactions among Circadian Clock Proteins,KaiA KaiB and KaiC,in Cyanobacteria." EMBOJ. (In press). (1999)

URL: 

公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi