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1996 年度 実績報告書

細胞内共生現象の分子細胞生物学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 08404054
研究種目

基盤研究(A)

研究機関東京大学

研究代表者

石川 統  東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (70012482)

研究分担者 森岡 瑞枝  東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (20272461)
佐藤 恵春  東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (80250215)
佐々木 哲彦  東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (60235257)
キーワードアブラムシ / 菌細胞共生系 / シンビオニン / 遺伝子発現 / rPOH / エネルギー共役的リン酸基転移 / ディファレンシャルディスプレー / 定量的RT-PCR
研究概要

1.菌細胞内共生体においてシンビオニンが構成的,かつ多量に発現される分子機構を調べた結果、シンビオニン遺伝子の発現は大腸菌groEと同じく,転写開始因子シグマ32の支配下にあることがわかったが,共生体のシグマ32遺伝子(rpoH)は大腸菌のそれと違って,熱ショックには応答しないことが明らかになった.
2.共生体内においてGroELホモログのシンビオニンからエネルギー共役的にリン酸基転移を受けるタンパク質の一つとして,ヒストンH1のホモログが同定された.
3.3種の近縁なアブラムシからのシンビオニン遺伝子の構造の比較から,シンビオニンは分子シャペロン活性にとっては中立的な部位への変異を通じて,同族のGroELにみられない新たな機能を獲得したことが示唆された.
4.若齢虫および老齢虫から得た菌細胞共生系における遺伝子発現をディファレンシャルディスプレーおよび定量的RT-PCR法によって比較した.その結果,宿主昆虫の加齢に伴って発現量の低下する遺伝子が共生体側にも,菌細胞側にも検出された.これらの遺伝子産物は共生系の活性が保たれるのに不可欠な機能を果たしているタンパク質であった.また,菌細胞共生系では宿主の加齢に伴って,逆に一過的に発現の高まる遺伝子のあることも判明した.このことは,菌細胞が一方では共生体のある遺伝子群を活性化し,他方ではそれのもつ他の遺伝子群の発現を抑制することによって,共生系の機能は保たれていることを示している.

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] T.Sasaki: "Nirtrogen recycling in the brown planthopper,Nilaparvata lugens:Involvement of yeast-like・・・" Journal of Insect Physiology. 42. 125-129 (1996)

  • [文献書誌] H.Harada: "A consideration about the origin of aphid intracellular symbiont in connection with gut bacteria 1・・・" Journal of General and Applied Microbiology. 42. 17-26 (1996)

  • [文献書誌] K.Komaki: "A characteristic difference among GroEL homologs from intracellular symbionts of closely-inter・・・" Zoological Sciencess. 13. 320-323 (1996)

  • [文献書誌] S.Aoki: "Secondary monoecy of the gall aphid Thecabius populimonilis(Homoptera)" Japan Journal of Entomology. 64. 367-378 (1996)

  • [文献書誌] T.Fukatsu: "Phylogenetic position of yeast-like symbiont of Hamiltonaphis styraci(Homoptera,Aphididae)based・・・" Insect Biochemistry & Molecular Biol.26. 383-400 (1996)

  • [文献書誌] H.Ishikawa: "Intracellular symbiosis in insect" Microbial Diversity in Time and Space. 93-100 (1996)

  • [文献書誌] 石川 統: "生物科学入門" 裳華房, 200 (1997)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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