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1996 年度 実績報告書

マキシマム・エントロピー法によるフラーレン化合物の精密構造解析

研究課題

研究課題/領域番号 08405003
研究種目

基盤研究(A)

研究機関名古屋大学

研究代表者

坂田 誠  名古屋大学, 工学部, 教授 (40135306)

研究分担者 篠原 久典  名古屋大学, 理学部, 教授 (50132725)
高田 昌樹  名古屋大学, 工学部, 助手 (60197100)
キーワード金属内包フラーレン / Y@C82 / Sc2@C84 / マキシマムエントロピー法 / フラーレン / 粉末回折 / 構造解析 / 放射光
研究概要

今年度は、主に、金属内フラーレンの精密構造解析を行った。本研究開始前に、解析をほぼ、終えていたY@C82については、幾つかの国際会議で発表したり、論文にまとめたりした。これは、世界最初の金属内包フラーレンの精密構造解析の例で、本研究開始前に発表された第1速報は国内主要新聞に掲載され、一般の関心が高かったが、専門家を前にした国際会議においても大いに注目を集めた。Y@C82についての詳細な解析が終了したので、次にフラーレン・ケージに2個の原子を内包したSc2@C84の精密構造解析を行った。そのために、まずHPLC法により1ミリグラム程度のSc2@C84を単離し、次ぎに、放射光粉末回折実験により、微量試料ながら統計性の高い良質なX線粉末回折データを測定した。測定したデータを、本研究により開発されたマキシマムエントロピー法とリ-トヴェルト法を組み合わせた新たな方法により解析し、最終的に、Sc2@C84の精密構造解析に成功した。この結果は、現在、PRLに投稿中である。これは、世界で2例目の金属内包フラーレンの精密構造解析結果で、もちろん、フラーレン・ケージ内に複数の原子が内包されている金属内包フラーレンでは、世界最初の例である。その結果、Y@C82とSc2@C84とでは、金属の内包構造が著しく異なることを見いだした。このことは金属内包構造が非常に多様性に富むことを示唆しており、今後の研究の進展が多方面から期待されている。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] M.Takata 他:"The Influence of the Completeness of the Data Set on the Charge Density Obtained with the Maximum-Entropy Method,A Re-examination of the Electron-Density Distribution in Si." Acta Cryst.A52,. 287-290 (1996)

  • [文献書誌] H.Shinohara他: "SynchrotronX-ray Diffraction and 13C-NMR Studies on the Isolated Y@C_<82> and Sc_2Y@C_8 Metallofullerenes." “FULLERENES" Recent Advances inthe Chemiusutry and Physics of Fullerenes and Related Materials,Eds,K,M,Kadish & The Electrochemical Society,. VOl.3,(in press). (1996)

  • [文献書誌] M.Sakata他: "The Principle of the Maximum Entropy Method." HIgh Pressure Research,. Vol.14,. 327-333 (1996)

  • [文献書誌] M.Takata他: "Direct Observation of Pr-CuO_2 Hybridization in PrBa_2Cu_3O_<7-8> by the MEM Charge Density Study." Physica C,. 263,. 340-343 (1996)

  • [文献書誌] M.Takata他: "The Endohedral Nature of the Metallofullerene Y@C_<82>." “Fullerenes and Fullerene Nanostructures" World Scientific. 155-160 (1996)

  • [文献書誌] 高田昌樹 他: "メタロフラーレンY@C_<82>" 日本結晶学会誌. 38. 224-248 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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