研究課題/領域番号 |
08405004
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
菅 滋正 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (40107438)
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研究分担者 |
白井 正文 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教授 (70221306)
鈴木 直 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (40029559)
今田 真 大阪大学, 基礎工学研究科, 講師 (90240837)
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キーワード | 価数揺動 / 近藤共鳴 / バルク敏感 / 共鳴光電子分光 |
研究概要 |
Ce化合物はCe4f電子と電動電子の混成の大きさに応じて価数揺動を示したり、近藤的振る舞いを示したりする。混成が強い場合は近藤温度T_Kが高く、混成が弱い場合はT_Kが低い。重いフェルミ粒子的振る舞いは適度な混成があるときに観察されてきた。この起源を知るためには高分解能光電子分光でフェルミ準位付近を調べるのが有力であり、これまで主として4d-4f共鳴励起を用いて研究が行われてきた。しかしながら得られたスペクトルを不純物のアンダーソンモデルで解析するとT_Kにスケールする結果が得られず、その不一致は長年未解決のままであった。我々はSPring-8に高分解能の軟X線ビームラインを数年来建設してきたが、世界で最高レベルの分解能と強度が1keV領域の軟X線で実現できた。そこで4dに代わって3d-4f共鳴光電子分光をこれまでに無い高分解能で測定したところ、4d-4f共鳴とは全く異なる結果を得る事に成功した。これは4d-4f共鳴では100eV程度のエネルギーの光電子を測定するため表面の状態を見ていたことを意味する。1keV付近での光電子分光はバルクの電子状態を知るには欠かせない事が分かった。この結果をNatureに発表したところ世界的反響が広がっている。Yb,Smさらに高温超伝導体を含む遷移金属化合物について研究を展開しつつある。
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