研究課題/領域番号 |
08405006
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
橘 邦英 京都大学, 工学研究科, 教授 (40027925)
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研究分担者 |
中村 敏浩 京都大学, 工学研究科, 助手 (90293886)
久保 寔 京都大学, 工学研究科, 助手 (80089127)
八坂 保能 京都大学, 工学研究科, 助教授 (30109037)
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キーワード | プラズマプロセス / 高密度プラズマ源 / 低域混成波 / 波動伝搬 / シミュレーション / プラズマ診断 / プラズマパラメータ / 空間分布特性 |
研究概要 |
次世代の集積回路プロセスに必要なプラズマ源として、低域混成波の伝搬を利用した新しい概念のソースを開発することを目標として研究を進めてきた。初年度では、プラズマ中の波動伝搬と電力吸収の様子を計算機シミュレーションによって系統的に調べ、磁場に平行方向の波数または磁場強度を変えることによって、エネルギー吸収の位置、すなわちプラズマ密度の空間分布特性を変化させることが可能であることを示した。昨年度から今年度にかけては、この原理に基づいてプラズマ生成実験を行い、プローブ測定によってプラズマパラメータの計測を行った。複数のリング状アンテナによって磁場に平行方向の波数を決めて波動を励起した場合、磁場強度の変化によって径方向のエネルギー注入位置が変化し、プラズマの密度分布の形状が制御できた。また、静電プローブや磁気プローブによって磁場に垂直方向の波数を測定した結果、低域混成波の伝搬が確認された。プラズマ生成部ではむしろ不均一で管壁に近い位置でピークをもつ密度分布にすれば、下流のプロセス領域では半径200mm以上にわたって均一な分布が得られ、磁場強度の調整によって均一性を±5%程度まで最適化できることができることがわかった。アンテナをヘリコン波励起用に代えると、上流で中心軸付近にピークをもつ分布となり、下流においても同様の不均一性が見られた。この結果と比較すると、低域混成波励起方式は密度の点ではやや劣るものの、均一性では格段に勝っていることがわかた。 一方、Si酸化膜のエッチングに用いられているフロロカーボンガスプラズマの新しい診断手法として、真空紫外域の波長可変レーザーによる吸収分光法(VUV-LAS)や電子付着型質量分析法(EAMS)を開発し、プラズマ中のF原子やC_xF_yラジカルの計測を行った。一方、以前に開発したFT-IR位相変調偏光解析法(PMSE)を活用して、プラズマに曝されたSiやSiO_2表面の状態をその場で診断し、プラズマや基板側の条件によって種々の化学結合状態の形成が変化する様子を調べた。これらの結果を総合して、実用的なプロセス条件を検討した。
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