研究課題/領域番号 |
08405009
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
近藤 公伯 筑波大学, 物質工学系, 講師 (80225614)
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研究分担者 |
シャルマ ラリット・ブシ 筑波大学, 物質工学系, 助手 (80292530)
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キーワード | KeV X線レーザー / 相対論的レーザーチャンネリング / レーザー媒質の長尺化 / フェムト秒レーザー / シャドウグラフ計測 / パルスガスジェット / フリンジシフト計測 / Xe |
研究概要 |
KeV X線レーザーの実現のためには、効率よくレーザー媒質を励起することだけでなく、レーザー媒質の長尺化をうまく実現する必要がある。前年度は主にレーザー媒質の高効率化に関する研究を実施したが、今年度は相対論的レーザーチャンネリングによるレーザー媒質の長尺化に関する研究を実施した。 従来、レーザーチャネリングの観測には、1.X線ピンホール像、2.トムソン散乱像を撮ることにより可能とされていたが、本研究ではフェムト秒レーザーを用いたシャドウグラフ計測により、時間分解レーザーチャンネリング観測を行った。また、それと並行して、ターゲットとなるパルスガスジェットの密度計測を行った。パルスガスジェットの密度計測にはパルスレーザーを用いたフリンジシフト計測を行い、空間時間分解計測を行った。 パルスジェットの密度に関しては従来の計測結果と同じく、ジェットの密度が背圧に比例するなどが確認された。典型的な例として、ノズルの真下、先端から2mmの点で背圧7気圧の場合、原子密度は5x10^<18>cm^<-3>となった。 レーザーチャンネリングに関してはターゲットガスとしてXeを用いた場合、背圧を十分高くとれば、レーザーが集光された後、広がらずに伝搬していく様子が捕らえられた。また、ターゲットガスをArやHeにした場合、レーザーチャンネリングは起こらないことが分かった。 本研究により、前年度に得られた結果も含め、KeV X線レーザーの実現に関する極めて重要な知見が得られたと考えられる。
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