研究課題/領域番号 |
08405009
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用光学・量子光工学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
近藤 公伯 筑波大学, 物質工学系, 講師 (80225614)
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研究分担者 |
ブシャン・ミャルマ ラリ 筑波大学, 物質工学系, 助手 (80292530)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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キーワード | 多光子的内殻励起 / 相対論的レーザーチャンネリング / keV X線発生 / 波長依存性 / Xeクラスター / チタンサファイアレーザー / 電子キャビテーション / 臨界パワー |
研究概要 |
軟X線の領域において今やX線レーザーは実現化されており、実用化に向けた研究が様々な研究組織において展開されているが、keV領域のX線レーザーに至っては未だに実現していない。これを行うためにはX線レーザー媒質の励起効率を飛躍的に向上する必要がある。本研究では多光子的内殻励起と相対論的レーザーチャンネリング現象を組み合わせた新型のX線レーザーを開発すべくその基礎過程であるkeV X線発生の励起波長依存性の解明と相対論的レーザーチャンネリング現象の観測を行った。 KeV X線発生に関しては、ターゲットとしてXeのクラスタージェットを用い、M殻及びL殻遷移輻射を平板型結晶分光器及びフォン・ハーモス分光器を用いて測定した。励起には近赤外光であるチタンサファイアレーザーを用いた。M殻遷移、L殻遷移ともにスペクトル形状は紫外線レーザーを励起源とした場合と良く対応することが分かった。最も顕著な違いは励起源として紫外線(波長248nm)を用いた場合に比べM殻遷移でおよそ2桁、L殻遷移で3桁発生量が低くなることが分かった。このことはkeV X線発生に関して、強い励起波長依存性があり、紫外光を用いることが重要であるということを意味する。次にkeV X線レーザーの実現にあたり、レーザー媒質の長尺化を実現するために必要となるレーザーチャンネリング現象の観測を行った。相対論効果と電子キャビテーションがもたらすレーザーチャンネリングを引き起こすにはプラズマの電子密度に強く依存する臨界パワー以上のパワーを集光する必要がある。実測したターゲットガス密度と時間分解バックライト計測で得られた画像データからXeクラスタージェット中で相対論的レーザーチャンネリングが起こっている可能性があることが分かった。
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