研究課題/領域番号 |
08405020
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
吉田 欣二郎 九州大学, 大学院システム情報科学研究科, 教授 (08405020)
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研究分担者 |
袈裟丸 勝巳 九州大学, 大学院システム情報科学研究科, 助教授 (60112299)
高見 弘 九州大学, 大学院システム情報科学研究科, 助手 (30179551)
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キーワード | リニア同期モータ(LSM) / 磁気浮上 / PM(永久磁石) / 三次元力制御 / 非干渉制御 / ピッチング抑制制御 / 零相電流重量法 / 案内制御 |
研究概要 |
本年度は、平成8年度と平成9年度に設計・製作したU形軌道垂直配置LSM磁気浮上モデル車両システムに,おける基本的な浮上走行制御実証実験に基づき、推進・浮上・案内走行に対する実証実験を行い、次の成果が得られた。 (1)推進・浮上・案内の三次元力を得る磁気浮上モデル車両実験システムの浮上案内走行性能の高度化 平成8年度と平成9年度において、推進力、浮上力と案内力を同時に制御可能なU形軌道垂直配置LSM磁気浮上モデル車両システムを設計・製作し、現有の高精度三相コントローラを用いて浮上走行制御を行い、加減速時に若干ピッチングが発生するが、低速浮上走行パターンに良好に追従しており、本研究の磁気浮上システムの基本的な実証実験に成功した。 本年度は、更に浮上走行性能を高度化するために、ピッチング運動をアクティブに制御できる零相電流を電機子電流に重畳する方式を新たに考案し、これまで抑制できなかったピッチング運動を制御し、浮上走行の大幅な安定化が得られることを明らかにした。更に、適応形零相電流重畳法を提案し、非常に良好な浮上走行を達成した。また、左右の電機子コイル電流と機械的負荷角を独立に制御し、ヨーイング運動も抑制しながらアクティブに案内制御を行うことによって、リニア軌道に完全に非接触な浮上走行案内走行に成功した。これにより、研究代表者が提案してきた推進・浮上・案内兼用磁気浮上システム理論を実験で実証できた。 (2)浮上案内走行性能とソフト・ハード設計の評価 上記 (1)に基づき、実証実験によって、ソフト・ハード面に渡って、本研究で得られた成果を基に最適設計の指針が得られ、新しいリニアモータ磁気浮上列車システムの基盤技術としてほぼ完成させることができ、実用化への道が拓けた。
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