研究課題/領域番号 |
08405029
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
安藤 真 東京工業大学, 工学部, 教授 (90159533)
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研究分担者 |
桜井 仁夫 東京工業大学, 工学部, 助手 (30016620)
広川 二郎 東京工業大学, 工学部, 助教授 (00228826)
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キーワード | 同相給電 / 逆相給電 / 逆相給電T分岐回路 / 反射抑圧スロットペア / 相互結合 / 一層構造アンテナ / ホログラフ処理 / 近傍界測定 |
研究概要 |
基礎研究の結果をもとに放射導波管を含めた具体的な同相給電型および逆相給電型の2種類のアンテナについて20GHzで設計、試作し、性能、製作性、再現性、実用化時の経済性をも含めた実験的な比較検討を行った。その結果、同相給電型アンテナでは給電導波管と放射スロット板との接着の不完全性の影響による特性の大幅な劣化が認められたが、逆相給電型アンテナでは特性の劣化は認められず、製作性、実用化時の経済性の優位さが確認された。しかし、逆相給電型アンテナ固有のスロット配置の問題から目標としていた80%の効率は達成されなかった。逆相給電型アンテナでは、隣の導波管上のスロットとの距離が短くなったり長くなったり交互に変化するので、相互結合の評価方法の再検討が必要となり、全波動的に全ての相互作用を考慮した数値的な解析で行っているが、アンテナが大型化すると数値的な処理が膨大になり、最適化のため計算を繰り返すには適さない。従って、これらの相互作用による影響を考慮した精度の良い近似解法の開発を進め、全波動的な解析による結果との比較を行っている。最も新規性が高く難しい逆相給電T分岐回路と反射抑圧スロットペアを組み合わせた一層構造アンテナについては、現在解析、検討中である。さらに、指向性、偏波特性等のアンテナ特性評価に加え、スロットの励振係数を直接評価するために、我々が提案しているホログラフ処理を導入し、開口面分布の測定、解析を行い、さらに電波暗室による遠方界測定と近傍界測定の結果を比較し、測定精度の確認と校正を行いながら実験を進めている。 ミリ波の測定環境としては、アンテナ測定スキャナー(XY2軸)とベクトルネットワーク・アナライザとしても機能するマイクロ波レシ-バおよびミリ波インターフェースが揃い、ミリ波帯まで測定可能な近傍界測定装置を構築でき、また、暗室用高周波ミキサ-とマイクロ波レシ-バ用タイムドメイン機能追加によりベクトルネットワーク・アナライザとしての測定機能が向上し、給電部およびスロット部からの反射等を分離して測定することが可能となり、測定効率の向上と高精度化が計れ、研究効率が大変向上した。
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