本研究の目的は、高強度パルスレーザを微小面積に集中させることによって衝撃波を発生させる技術、もしくはその反作用によって微小な飛翔板を加速・衝突させることによって衝撃超高圧力を発生させる技術を確立し、さらに、このレーザ衝撃圧縮法を炭素新相の探索研究に適用して、未だ明らかにされていない炭素の隠された振る舞いを実験的に明らかにすることを目的としている。 本研究は3年間を予定しており、初年度である平成8年度では以下の研究を行った。 1)備品費として計上したNd:ガラスレーザの光学系の組立・調整を行った。 さらに、現有のストリークカメラと粒子速度測定装置と結合して、衝撃圧縮圧力の測定が行えるように組立・調整を行った。 2)いくつかのレーザ衝撃用ターゲットのデザインを検討するため、現有の二段式軽ガス衝撃銃と一段式火薬銃を用い、従来の回収カプセルに新しいターゲットを収納して衝撃圧縮凍結実験を行い、これまでの温度、圧力、冷却条件との比較検討を行った。 3)備品費として計上したオシロスコープと赤外線検出器を組み合わせた衝撃温度測定装置を作成して、衝撃温度と衝撃直後温度の測定方法を開発し、圧縮凍結実験条件を検証するための準備を行った。
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