研究課題/領域番号 |
08405046
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
構造・機能材料
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
渡邊 忠雄 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40005327)
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研究分担者 |
川原 浩一 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (00302175)
連川 貞弘 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40227484)
藤野 豊 東北大学, 留学生センター, 教授 (60005402)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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キーワード | 微細粒多結晶 / 粒界性格分布 / 粒界制御 / 後方散乱電子線回折法 / 磁場 / 焼結 / 磁歪 / 形状記憶特性 |
研究概要 |
本研究は微細粒多結晶材料中に存在する粒界の性格・構造およびその分布、いわゆる「粒界性格分布」を実験的に評価し、粒界設計制御に基づき、従来の多結晶材料に見られない安定した組織と諸性質を発現させるための界面アーキテクチャの確立を目指して行われた。当該研究期間に得られた結果の概要は以下の通りである。 1. FE.SEM/EBSP/OIM法による微細粒多結晶材料の粒界解析手法の確立:後方散乱電子回折法によるオンライン結晶方位回折装置とFE-SEMを組み合わせることにより、ECP法のような従来の方法では不可能であったサブミクロンの微細結晶多結晶体の粒界解析が可能となることが確かめられた。 2. 脆性多結晶材料の粒界破壊制御:本質的に脆性であると考えられてきたモリブデンなどの脆性材料の粒界破壊が、「粒界性格分布」や「粒界連結性」の制御により抑制されることが明らかとなった。 3. 磁場作用を利用した強磁性体の組織制御:磁場作用を利用した組織制御プロセスの開発を目指して、純鉄圧粉体の磁場中焼結を試み、焼結過程における磁場作用の効果について検討した。磁場中焼結により緻密化、粒成長が促進されることが明らかとなった。Fe-Si合金双結晶を用いた粒界移動の実験により磁場作用より粒界移動が促進されることが見出され、磁気異方性が粒界移動の駆動力となりうることが明らかとなった。さらに、磁場中焼結された試料についての磁気特性評価より、磁場中焼結により軟磁気特性が向上することが見出された。 4. 磁気誘起マルテンサイト変態型形状記憶合金の粒界微細組織制御による高性能化:強急冷凝固法を用いて強磁性Fe-Pd薄帯を作製、熱処理を行うことにより粒界微細組織を制御し、それらの試料について磁気誘起変態形状記憶特性を測定した。その結果、磁場の印加により従来の磁歪材料の約10倍の大きな伸びひずみが得られ、逆に磁場を取り除くと形状記憶特性により元に戻ることが確認された。さらに、粒方位を集合化することにより、小さな磁場の印可で高い応答性が発現することが明らかとなった。
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