研究課題/領域番号 |
08405050
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研究機関 | 宇宙科学研究所 |
研究代表者 |
栗林 一彦 宇宙科学研究所, 宇宙輸送研究系, 教授 (70092195)
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研究分担者 |
高村 禪 宇宙科学研究所, 宇宙輸送研究系, 助手 (20290877)
稲富 裕光 宇宙科学研究所, 宇宙基地利用研究センター, 助教授 (50249934)
佐藤 英一 宇宙科学研究所, 宇宙輸送研究系, 助教授 (40178710)
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キーワード | 無容器プロセシング / 非平衡凝固 / 酸化物超電導体 |
研究概要 |
凝固や結晶成長のように融液を出発点とした材料生成プロセスにおいて融液と容器(坩堝)の反応は厄介な問題である。特に酸化物超電導体の融液プロセスにおいては、酸化物超電導体融液と化学的に反応しない坩堝はなく、坩堝からの不純物の混入、坩堝壁を優先サイトとする不均一核生成等が、結晶の高品質化や新しいプロセスの妨げとなっている。無容器で試料の融解凝固ができたら、これまでとは全く異なるプロセスが可能になり、従来にない高品質、新機能材料の生成が期待できる。本研究は、このような観点から浮遊した試料を炭酸ガスレーザーで照射することにより、坩堝を用いることなく試料を溶融凝固させ、坩堝から不純物の混入の防止と不均一核生成の抑制による、高純度結晶の育成や大過冷却した融液からの非平衡凝固といった、これまでとは全く異なる新しい材料生成のプロセスを目指す。 平成8年度は、200W炭酸ガスレーザーを組み込んだ電磁浮遊炉により、Si、GeおよびSi-Ge合金を試料に用い、非接触で試料温度を高精度に計る手法を確立した。また複数個のフォトダイオードを用い、浮遊液滴の振動状態やデンドライト成長速度をリアルタイムで計る手法を確立した。これらは無容器材料プロセシングにおける基本的な実験技術であり、平成9年度に計画している酸化物超電導体の無容器非平衡凝固には不可欠な技術である。これらの準備と併せて、酸化物超電導体へ適用するための実験装置を構成した。すなわち大出力(〜2kW)炭酸ガスレーザーを新規に購入し、現有のガスジェット/超音波浮遊装置に組み込み、光軸合わせ、測温方法等の調整を行った。また実験試料として、Y系、Nd系、Sm系の酸化物超電導体の試料を作成し、平成9年度に備えた。
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