研究概要 |
1)二酸化炭素の光還元に関する研究 穏和な条件下で炭酸ガスを固定化することのできる光触媒の探索を行った結果,酸化ジルコニウムが水素ガスにより炭酸ガスを一酸化炭素に光還元する有効な触媒であることが見いだされた.類似の系としてチタニア担持ロジウムが水素により炭酸ガスを一酸化炭素あるいはメタンまで還元することを見いだした.酸化ジルコニウム上で水素,炭酸ガスを原料とする表面中間体が生成し,これが分解するものと考えているが,中間体の完全な同定はまだ行われていない.最近,還元剤として水素の代わりにメタンを用いてもよいという結果がでている. 2)酸化バナジウム表面種に関する研究 Rb_2O-V_20_5/SiO_2のVK殻吸収XAFSを解析したところ、バナジウム酸化物は基本的にはVO_4構造を持ち、ルビジウムイオンは一個の酸素イオンを介してバナジウム原子と結合していることがわかった。この表面錯体の電子状態および反応性について量子化学計算を行い,触媒の可視光応答化について検討を検討を加えるとともに,反応経路の推測を行った. 3)担持銅種に関する研究 NO還元に有効な銅種の構造,分散効果(量子サイズ効果)について検討を加えた.反応中は銅酸化物微粒子として存在し,これが,還元剤により還元され,NOを還元する,というredox機構が見いだされた.このようなredox機構は,粒子サイズが10〜20nmの際に生じる. 4)典型元素の量子サイズ効果 マグネシウム,ケイ素酸化物を微粒子化することにより光活性を示すことが見いだされた.
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