研究課題/領域番号 |
08405054
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
工業分析化学
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研究機関 | 東京理科大学 (1998) 東京大学 (1996-1997) |
研究代表者 |
宮村 一夫 東京理科大学, 理学部, 助教授 (40157673)
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研究分担者 |
早川 慎二郎 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (80222222)
合志 陽一 国立環境研究所, 副所長 (90111468)
古谷 圭一 東京理科大学, 理学部, 教授 (80087345)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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キーワード | 異常散乱 / X線回折 / 粉末X線回折 / リートベルト法 / スピネル構造 |
研究概要 |
本研究の目的はX線の異常散乱を起こすエネルギーが化学状態によりわずかに変化することに着目し、目的とする元素の吸収端近傍のエネルギーで測定されたX線回折データから結晶中の特定サイトにある元素の非破壊状態分析法を開発しようとするものである。本研究で開発に取り組んだ手法は単結晶だけでなく粉末の多結晶体も測定対象であり、広範な試料に適用できる汎用な分析法である。 研究初年度は無機材研・泉博士が開発したリートベルト解析ソフトの改良を行い、粉末X線回折データから異常散乱因子のフィッティングを行うことを可能にした。この改良リートベルトソフトを用いて通常X線源を用いた得られた様々な試料についてのデータの解析を行った。 研究次年度には高エネルギー加速器研究機構において回折角と入射X線エネルギーを変数とする2次元粉末X線回折測定を開始した。Co_3O_4、Fe_3O_4、Mn_3O_4などのスピネル型結晶構造をもつ試料や酸化物高温超伝導体などについて測定を行った。CO_3O_4、Fe_3O_4については2価イオンが4配位サイトに位置する正スピネル構造と3価イオンが4配位サイトに存在する逆スピネル構造を実験的に区別することが可能であり本手法の有効性を示した。 本研究では限られた放射光のビームタイムでの測定が前提となるため異常分散効果が大きく現れる回折線を選択することで、測定時間の短縮を実現している。回折強度のシミュレーションや高速測定にむけた装置の改良に関しても検討を行った。
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