研究課題/領域番号 |
08405056
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
安田 榮一 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 教授 (70016830)
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研究分担者 |
梶浦 尚志 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 学振特別研究員
奥居 徳昌 東京工業大学, 工学部, 教授 (20111651)
松尾 陽太郎 東京工業大学, 工学部, 教授 (70016608)
赤津 隆 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 助手 (40231807)
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キーワード | 炭素前駆体 / 無機化合物添加 / 力学特性 / 化学特性 |
研究概要 |
ピッチにヨウ素を作用すると100℃以下の比較的低い温度でもピッチの特性が変化する。しかし、この機構・機構は分かっていない。そこで、まず、NMRを用いてヨウ素化ピッチの構造解析を行った。その結果、比較的室温に近い温度では、電荷移動錯体を形成している可能性があること、温度が500K程度以上になると大きな構造変化が生じ始めることが分かった。 この構造変化過程を質量分析計(Mass)付熱重量測定(TG)装置で分析した。分析に先立ち、MassとTGとのインターフェースの構築を行った。TG-Massの分析から200℃〜500℃付近でヨウ素がピッチ中の水素と反応してヨウ化水素を形成し、ピッチの脱水素反応を促進していることが分かった。ヨウ素処理を施すことで、ピッチから生成する炭素(黒鉛)の構造が微細化すること、炭素化時の収率が大きく向上することが分かった。さらに、この構造変化や収率の向上は、用いるピッチの特性に大きく影響されることが分かった。具体的には、分子量の小さな側鎖の少ないピッチほど、ヨウ素化処理の効果が顕著に現れることが示唆されている。 EPMA観察から、ヨウ素化は酸素と比べてピッチ中の拡散係数が大きいことが分かり、組織制御方法として有用であることを見出した。ヨウ素化処理法を用い、賦形性の高い比較的軟化点の低いピッチ(通常の炭素化収率は低い)を用いて材料を成形した後で、炭素化収率の高いピッチに変えて、C/C複合材料を作製する新しい手法を開発中である。
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