研究分担者 |
壹岐 伸彦 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50282108)
大井 秀一 東北大学, 大学院・工学研究科, 講師 (00241547)
服部 徹太郎 東北大学, 大学院・工学研究科, 講師 (70241536)
玉井 康文 日本大学, 工学部, 助教授 (90171884)
井上 祥雄 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50005518)
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研究概要 |
1.海産性抗生物質Malyngolideの全合成 3-[2-(メトキシ)エトキシ]プロポキシ基を2′-位に有する1,1′-ビナフタレン-2-オールを不斉助剤とする4-ベンゾイル酪酸エステルへのノニルGrignard試薬の1,8-不斉誘起求核付加反応により、対応する5-ノニル-5-フェニル-δ-ラクトンを97%eeの不斉選択性で得ることができた。また、この反応を鍵反応としてMalyngolideの全合成を達成した。 2.ビナフタレンをテンプレートとする環状ジエステル形成による絶対配置決定法 新規な1,1′-ビフェナンスリル-2,2′-ジオールを2-フェナンスロールの酸化カップリングにより合成し、(-)-1-フェニルエチルアミンの環状チオリン酸アミドとして光学分割し、(-)-体を得た。この絶対配置を、(R)-1,1′-ビナフチル-2,2′-ジカルボン酸をテンプレートとする環状ジエステル形成法により、(R)-(+)と帰属し、(R)-1,1′-ビナフチル-2,2′-ジオールとの化学相関により確認した。本化合物には、CD励起子カイラリティー法は適用できず、環状ジエステル形成による絶対配置決定法の汎用性が確認された。 3.チアカリックスアレーンを用いる不斉識別 ビナフタレン骨格の展開として、チアカリックスアレーンの不斉識別素子としての可能性を探索した。その結果、キラルなチアカリックス[4]アレーン誘導体が、ガスクロマトグラフ用の光学活性固定相として有効であることを見出した。
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