研究課題/領域番号 |
08405059
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
畑田 耕一 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (60029402)
|
研究分担者 |
西浦 崇文 大阪大学, 基礎工学研究科, 助手 (70243194)
右手 浩一 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教授 (30176713)
北山 辰樹 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (60135671)
|
キーワード | サイズ排除クロマトグラフィー / NMR / 分子量分布 / ポリメタクリル酸メチル / ステレオコンプレックス / 均一ポリマー / 高分子錯体 / アニオン重合 |
研究概要 |
1 ポリメタクリル酸メチル(PMMA)のイソタクチック体(it-)とシンジオタクチック体(st-)をアセトン中で混合すると、立体相補性の高分子会合体「ステレオコンプレックス」を生ずる。この現象について、500および750MHz^1H NMRをGPCの検出器に用いる「オンラインGPC-NMR」法による研究を行った。分子量分布を持たないMMAのit-46量体(分子量3927.5、mm=100%)とst-46量体(rr=98%)をアセトン/重アセトン(95/5)中で重量比(st-/it-)が0.61となるように混合し、カラム温度を-15℃、NMRプローブの温度を45℃にしたGPC-NMRで分析した。得られたクロマトグラムには、通常の46量体の溶出ピークのほかに、会合体による幅の狭いピークが高分子量側に検出された。it-体とst-体のOCH_3基のNMRシグナルは化学シフトが異なるので、おのおのの化学シフトをモニターして得られる溶出曲線を比べることにより、会合部と非会合部の組成比st-/it-を連続的に決定できた。その結果、非会合部がほぼit-体のみからなることや会合部のs′t-/it-比が1.5〜1.7の値を示すことなど、この会合現象に関する重要な知見が得られた。また、プローブの温度をカラム温度と同じ-15℃に設定することにより、コンプレックスのNMRスペクトルの「その場」測定が可能であった。 2 t-ブチルリチウムと嵩高いメチルアルミニウムフェノキシドとを組み合わせた開始剤を用いてアクリル酸t-ブチルとメタクリル酸メチルの共重合を行うと、-10℃ではランダム共重合体が得られるのに対し、-30℃以下ではブロック共重合体が得られる。また、-60℃以下では2峰性の分子量分布を有する共重合体が生成する。これらの共重合体のGPC-NMR測定を行い、その組成の分子量依存性を詳細に調べることにより、この共重合反応におけるモノマー選択性ならびに重合活性種に関する知見を得ることができた。
|