| 研究概要 |
翼型上に生ずる剥離剪断層のふるまいは、航空機の空力特性に大きな影響を与える。特に剥離剪断層が翼面に再付着する現象は,翼の失速現象と関係が深い。近年の研究によると剥離剪断層の再付着は非定常的な現象で、フラッピングと呼ばれる低周波数で上下に剪断層が振動する現象が多大な影響を与えていることが知られてきた。本研究では,この剥離剪断層の非定常的挙動、特にフラッピング現象の発生機構を明らかにすることを目的とし風洞実験と数値解析による研究を行う。本研究においては,剥離剪断層を風洞模型上に発生させ、剥離点および再付着点付近における局所における流速測定、速度変動相関測定を行う。また流れの可視化により剥離剪断層全体の非定常的挙動を明らかにする。測定結果と数値シミュレーションによる解析結果との比較も行う。本年度は、このうち、流速測定の準備と予備試験、数値計算の予備計算を行った。具体的には、
1.剥離剪断層測定用模型を製作し、風洞へ設置した。
2.測定プローブ挿入によって流れ場を乱すことのない、非接触測定が可能な二次元レーザー・ドップラー流速計を購入し、整備した。
3.局所流速測定の予備実験を行った。
4.実験と同じ流れ場について数値計算コードを用いた予備計算を行った。
上記の結果、実験では剥離剪断層内である特定の周波数を有する変動が発生することが明らかになった。乱流モデルを用いた数値計算の結果、剥離剪断層内の平均流速分布については使用した乱流モデルで充分精度良くシミュレートできることが明らかになった。
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