研究課題/領域番号 |
08405065
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
船舶工学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
高木 幹雄 広島大学, 工学部, 教授 (00038556)
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研究分担者 |
林 欣 広島大学, 工学部, 助手 (20263725)
岩下 英嗣 広島大学, 工学部, 助教授 (60223393)
土井 康明 広島大学, 工学部, 助教授 (10134454)
斉藤 公男 広島大学, 大学院・国際協力研究科, 教授 (50029279)
馬場 栄一 広島大学, 工学部, 教授 (30274129)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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キーワード | 定常流場と非定常流場との干渉影響 / コロケーション法 / 船速影響 / 船首形状 / ナックルライン / 定常船首波形 / 不安定運動 / 3次元パネル法 |
研究概要 |
平成8年度から平成10年度の3ヵ年にわたり、高速船の甲板打ち込みの推定に関する研究を行ってきた。本研究で得られた主な成果は次の通りである。 (1) 波浪中を航行する高速船に働く非定常流体力の推定において、船体周りの定常流場の干渉があることが判明した。このためにこの干渉影響を表す非線型自由表面条件を誘導した“速度流場法"の開発を行った。この結果、定常流ポテンシャルの二次微分項の影響が重要であることが判明した。 (2) 定常流体力と非定常流体力間の相互干渉影響を実用的に推定する方法として、線形三次元パネル法を開発した。さらに実験結果との比較から、本方法が高速船の耐航性のを推定するのに有効な方法であることが判明した。 (3) 非定常流場に対する定常流場の影響は、diffraction流体力よりもradiation流体力に対して大きく現れる。特に低周波数領域において顕著である。 (4) 船体表面上の圧力分布を正確に推定するために、定常流場の影響は自由表面条件ならびに船体表面条件の両方に考慮しなければならない。 (5) 船首近傍のdiffraction waveは船首形状にナックルラインを付けることによって小さくすることが出来る。従って、船首近傍の海水打ち込みを小さくするためには、船首にナックルを設けた方が望ましい。 (6) 定常流体力と非定常流体力との干渉影響は、前進速度力状きくなるにつれて増大する。特に定常船首波形は水面上の船首形状の影響を受けるため、船首甲板への海水打ち込みを含めた波浪中の耐航性を精度良く推定するために、先のパネル法を改良した新たな理論の提案が必要である。 (7) 高速船の事故原因の大半は、その動的不安定性と強い関連が有ることが判明した。高速船の安全性向上のために、この動的不安定性を引き起こす流体力特性の解明が急務である。
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