研究概要 |
821788 本年度は,以下のことを行うとともに,これまでの研究成果のとりまとめを行った. 1. これまでに用いてきたポーリング軸方向可変型フラットジャッキ式真三軸試験装置の載荷能力では,地圧下のポーリング実験で十分な地圧範囲についてコアディスキングを実現できないことがわかった.そこで,載荷能力を増加させるため装置の改良を行った.すなわち,試験片を20cm立方体とし.厚さ50mm,面積300mmx300mmの鋼製スペーサ6個を作製して試験片寸法の減少によって得られた空間に挿入した.なお,同スペーサは互いに接触しないよう面取りが施されている.これに伴って,フラットジャッキの寸法も変える必要が生じ,若干小さめのフラットジャッキを設計・作製した.この結果,試験片への載荷能力は,従来の30MPaから約50Mpaに増加した. 2. 改良したポーリング軸方向可変型フラットジャッキ式真三軸試験装置を用いて,白河溶結凝灰岩に対し,地圧下のポーリングに伴うコアディスキングの予備実験を行った.この結果,同岩石については,昨年までに得られた長いコアに対するディスキング開始条件以上の地圧条件でポーリングを行うと,地圧が大きいほどディスクの厚さが小さくなることが明らかになった.これは,コア長さが小さいほどコア底部の引張応力が小さくなるためであると考えられた.このことは,ディスキング条件に関する理論解析を,本研究で明らかにしたコアが長い場合だけでなく,コアが短い場合についても行う必要があることを示唆した.
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