研究課題/領域番号 |
08406001
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
遠藤 隆 京都大学, 農学研究科, 教授 (60068830)
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研究分担者 |
那須田 周平 京都大学, 農学研究科, 助手 (10273492)
宮下 直彦 京都大学, 農学研究科, 助教授 (20212243)
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キーワード | オオムギ / パンコムギ / 染色体構造変異 / 欠失系統 / サブテロメリック配列 / PCR |
研究概要 |
本研究は、オオムギ染色体の添加されているパンコムギに遺伝的に染色体構造変異を誘発してオオムギ染色体の欠失系統を育成し、オオムギ染色体の物理的染色体地図を作製することを目的とした。本年度は、完全な6オオムギ染色体(1Hを除く)について、染色体構造変異を起こす系統(2n=45,21"+1"H+1'2C:Hはオオムギ染色体、2Cは染色体構造変異を起こすAegilops cylindrica由来の染色体)の育成を完了した。完全なオオムギ染色体の系統は当初の研究計画にはなかったが、サブテロメリック配列を分子雑種形成法によって検出できることが判明したので本研究に加えた。オオムギの染色体片腕添加系統についての同様な系統の育成は、ほとんどは、2n=44(21"+1'H+1'2C)の状態であり、次年度に2n=45個体の選抜を行えるようになっている。6HS(6Hの短腕)についてのみ、予定よりも早く2n=45固体が選抜でき、それに正常パンコムギを戻し交配することができた。オオムギ特有のサブテロメリック配列からプライマーを設計し、オオムギ染色体添加系統についてPCRを行ったところ、用いた片腕添加系統ではすべてDNA増幅が起こり、正常系統では起こらなかった。これにより染色体末端の欠失をPCRによる検出が可能であることが示された。6HSの戻し交配子孫109個体についてPCRによる選抜を行ったところ、染色体観察の結果とPCRの結果は矛盾なく一致し、6HSの欠失と思われる3個体を得た。現在、これらの子孫において欠失6HSの伝達を調査している。また、15個体が6HSを全く持たなかったので、6HSの減数分裂における消失がかなりの頻度であることが明らかになった。オオムギDNAクローンの塩基配列決定、STS化は現在準備中である。
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