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1997 年度 実績報告書

植物ウイルスの干渉効果の機構に関する分子生物学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 08406004
研究機関九州大学

研究代表者

高浪 洋一  九州大学, 農学部, 教授 (50243944)

研究分担者 古屋 成人  九州大学, 農学部, 助手 (10211533)
松山 宣明  九州大学, 農学部, 教授 (40108676)
キーワードキュウリモザイクウイルス / 干渉効果 / 1次ウイルス / 2次ウイルス / DIG標識オリゴDNAプローブ
研究概要

1.昨年度の研究により、subgroup IIの軽症系CMV(CMV-m2)を一次ウイルスとしてタバコに接種した後、subgroup Iの黄斑系CMV(CMV-Y)を接種した場合,干渉効果が不完全であることが明らかとなっている。平成9年度は干渉効果の機構に関する研究の一環として,CMV-m2とsubgroup Iの各系統をタバコに同時混合接種し,その接種葉、上位葉における各ウイルスの増殖について検討した。Subgroup特異的に検出可能な2種類のDIG標識オリゴDNAプローブを用いて,各ウイルスRNAの蓄積量をdot blot法により解析した結果,接種4日後の接種葉では,両subgroupとも単独接種と比べて著しい差異は認められなかった。しかしながら,1週間後の上位第3葉ではCMV-m2のウイルスRNAの蓄積量がsubgroup Iの各系統のそれと比べて著しく抑制されていた。これに対し,45日後に上位第25〜35葉での検定を行った結果では,単独接種個体と比べて両subgroup共にウイルスRNAの蓄積量に著しい抑制は認められなかった。これらの結果より,同時混合接種におけるウイルスの増殖は特に上位数葉においてsubgroup Iがsubgroup IIに対して優位に展開することが示唆された。
2.CMV-m2とマメ科系CMV(CMV-LE)を用い,ササゲおよびタバコにおける干渉効果試験を行った。まず,1次ウイルスとしてCMV-LE,2次ウイルスとしてCMV-m2を用いてササゲにおける干渉効果試験を行った。その結果,1次ウイルスを接種した植物では対照植物に比べて病斑数の減少が観察された。さらに植物組織内における1次ウイルスの蓄積量と2次ウイルスによる病斑数との間には明らかな関連が認められた。次にCMV-LEとCMV-m2を用いてタバコにおける干渉効果試験を行った。その結果,1次ウイルスとしてCMV-LEを,2次ウイルスとしてCMV-m2を接種した場合に干渉効果が完全であった。一方,1次ウイルスとしてCMV-m2を,2次ウイルスとしてCMV-LEを接種した場合は干渉効果が不完全であった。この場合,1次ウイルスと2次ウイルスの接種間隔に関係なく,2次ウイルス接種葉およびその上位葉において2次ウイルスが増殖していることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 佐藤正幸: "キュウリモザイクウイルス3分離株のダイコン品種における感染と増殖" 九州病害虫研究会報. 43. 39-41 (1997)

  • [文献書誌] Minoru Takeshita: "Complete nucleotide sequences of RNA3s of cucumber mosaic virus KM and D8 strains" Journal of the Faculty of Agriculture Kyushu University. 42(1・2). 27-32 (1997)

  • [文献書誌] Minoru Takeshita: "Involvement of cucumber mosaic cucumovirus RNA2 and RNA3 in viral systemic spread in radish plant" Archives of Virology. (発表予定). (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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