• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1997 年度 実績報告書

植物・土壌系におけるアルミニュウムとケイ酸の相互作用の機構解明

研究課題

研究課題/領域番号 08406007
研究機関北海道大学

研究代表者

但野 利秋  北海道大学, 農学部, 教授 (40001440)

研究分担者 信濃 卓郎  北海道大学, 農学部, 助手 (20235542)
大崎 満  北海道大学, 農学部, 助教授 (60168903)
水野 直治  北海道文理科短期大学, 酪農部, 教授 (90229708)
キーワードアルミニウム / ケイ酸 / アルミニウム障害 / アルミニウム吸収 / アロフェン / ジャガイモそうか病 / アルミニウムの溶出 / アルミニウムとケイ酸の相互作用
研究概要

(1)0.3mMAlを含む培養液で生育した各種植物によるAl吸収に及ぼす1mMSi共存の影響で検討した。Al吸収は、Siの共存によってコムギ、オオムギ、イネ、ダイズ、レンゲで低下し、Siの共存によるAl障害の軽減効果は、オオムギ、ダイズ、セイタカアワダチソウで認められた。(2)Siの吸収は、Al濃度の上昇によってオオムギ、ギニアグラス、トウモロコシ、ソルガム、ダイズで低下し、他の植物では明瞭な影響は認められなかった。(3)現在大きな問題となっているジャガイモそうか病の多発はほぼ30年前からといわれる。その間農業では大型トラクターが導入され、それまで馬耕などで行っていた耕起では20cm程度の作土耕起であったのが30-40cmの深さまで可能になった。さらに、バレイショ栽培地は起伏の多い地帯であったため、農地の均平化工事が行われた。このような農業事情の変化が土壌の化学性とジャガイモそうか病の発現に及ぼす影響をAl-Siの相互作用の面から解析した。旧作土であったA層のアロフェン含有率はほぼ3%以下であったが、その下層のB層のアロフェン含有率は5-10%であり、現在の作土中のアロフェン含有率はそれらの中間であった。土壌pHは旧A層と現A層間で差がなかった。しかし、水溶性Al含有率は旧A層の平均値が0.3ppm前後であるのに対し、現在の作土では0.1ppm以下であった。水溶性Siは下層になるに従い上昇し、不溶性Alと逆の関係にあった。アロフェン含有率と水溶性Alとの間には双曲線的反比例関係があり、特にアロフェン含有率が3-4%以下の場合に急激にAlの溶出が増加した。これらの結果は、土壌のアロフェン含有率によってAlの溶出が規定されていることを示すものであり、これが土壌に種類や地域によるジャガイモそうか病の発現の難易を支配することを示す。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Watanabe,T., Osaki,M., and Tadano,T.: "Aluminum-induced growth stimulation in relation to calcium, magnesium,and silicate nutrition in Melastoma malabathricum L." Soil Sci.Plant Nutr.43・4. 827-837 (1997)

  • [文献書誌] Osaki,M., Watanabe,T., and Tadano,T.: "Beneficial effect of aluminium on growth of plants adapted to low pH soils." Soil Sci.Plant Nutr.43・3. 551-563 (1997)

  • [文献書誌] 渡部敏裕・水野直治・但野利秋: "高濃度の鉄および銅含有試料における8-キノリノールを用いた微量アルミニウムの定量法の改良" 日本土壌肥料学雑誌. 68・4. 441-443 (1997)

  • [文献書誌] Yoshida,H., Ushiki,J., Mizuno,N. and Tadano,T.: "Effet of fertilization on suppression of common scab of potato." Developments in Plant and Soil Sciences.78. 757-758 (1997)

  • [文献書誌] 水野直治・吉田穂積・牛木純・但野利秋: "アロフェン質黒ボク土におけるジャガイモそうか病発生に対する施肥法の影響" 日本土壌肥料学雑誌. 68・6. 686-689 (1997)

URL: 

公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi