研究課題
基盤研究(A)
●複層林の林分構造及び上木間伐時における下木の被害状況の調査81年生ヒノキ、15年生スギから構成される二段林の林分構造を測定し、上木の間伐時における下木の損傷等について調査した。調査区は南向きの10〜15度の緩斜面に位置し、面積は0.103である。上木間伐時に下木の密度は3097本/haであった。上木の伐倒・搬出による下木の損傷は、上木の搬出時に引き抜かれた個体が21%と最も多かった。しかし、健全木が22%、木起こしを行うことにより回復が見込める個体が36%であり、間伐時に存在していた個体の58%が今後も生存可能であると判断された。●森林計画に基づいた森林経営の経済的分析地理情報システムに蓄積されたデータを利用してさまざまな持続可能な森林計画の策定をシミュレーションし、その計画を実行したときの経済的な評価を行うシステムを開発した。評価される森林計画は長期計画、中期計画、短期計画のうちの長期計画と中期計画である。長期計画では各分期において伐採される面積がほぼ等しくなるように計画を策定する。中期計画では長期計画の第1分期の各年において必要な労働量がほぼ一定になるように計画を策定する。これらの計画にしたがって森林経営の経費、総収益、純収益を算定する。次に、東京大学千葉演習林の25から28までの4つの林班を一つの事業区として想定し、実際に経営の経済的評価を行った。スギ及びヒノキ人工林を対象として60年、70年、80年の3種類の輪伐期の想定して計画を策定した。経費と木材価格の組み合わせを9通り想定して計画の評価を行った。
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