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1997 年度 実績報告書

木材・セルロースなどバイオマスからの生分解性高分子材料の創製に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 08406013
研究機関京都大学

研究代表者

白石 信夫  京都大学, 農学研究科, 教授 (70026508)

研究分担者 吉岡 まり子  京都大学, 農学研究科, 助手 (30220594)
キーワードセルロースジアセテート / デンプン / リグノセルロース / グラフト / 重縮合 / 開環重合 / 生分解性高分子材料 / 液化
研究概要

セルロースジアセテートの新しい可塑化の研究、デンプンの熱可塑性高分子への変換の研究およびリグノセルロースとデンプンの液化と応用および液化機構解明の研究を昨年に引き続き行い、次のような結果を得た。(1)セルロースジアセテートの存在下で乳酸とグリコール酸あるいは乳酸と6-ヒドロキシカプロン酸の重縮合反応を行うことにより後者の共縮合体が効果的にセルロースジアセテートにグラフト鎖として導入され、それが熱可塑化されることを知った。その際、グリコール酸あるいは6-ヒドロキシカプロン酸がより多くグラフト鎖中に導入されること、グラフト鎖長は短いことが知られた。また、反応条件の制御により、ガラス状からエラストマー状間で広範な物性の生成物を作りうることを明らかにした。(2)セルロースジアセテートへのε-カプロラクトンないしそれとラクチドとの開環グラフト重合について検討し、触媒種の選択を主とする反応条件の適正化により、数分の反応で効果的にグラフト重合を行うことが出来、広範な物性の熱可塑性樹脂を創製しうることを明らかにした。この場合(1)の直接重縮合法と異なり、共重合組成的にはラクチル単位に富んだものとなることが知られた。(3)適切なデンプンのアセチル化法を選択し、他種生分解性プラスチックとのブレンドにより優れたプラスチック材料を作りうる見通しが得られた。(4)リグノセルロースのフェノールあるいはポリエチレングリコールやポリカプロラクトンなどポリオール存在下、酸触媒ないし無触媒液化について液化機構の解明を進めると共に、連続液化装置の開発に関する検討を進めた。とくに高温無触媒条件で多糖のフェノール液化を行う場合について、液化がラジカル開裂により進行すること、その際水の存在が重要な役割を演じ、それが十分に存在する場合グルコースが多量に中間生成物として生じることが実験的に知られた。

  • 研究成果

    (9件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (9件)

  • [文献書誌] 白石信夫: "木材などバイオマスからつくるプラスチック材料" 市政. 46(1). 110-113 (1997)

  • [文献書誌] 白石信夫: "リグノセルロースのエコマテリアル化" ペテロテック. 20(6). 494-499 (1997)

  • [文献書誌] 吉岡まり子: "木材の化学加工の研究について思うこと" 木材工業. 52(3). 147-149 (1997)

  • [文献書誌] 白石信夫: "木材の液化と二、三の応用" 日本油化学会誌. 46(10). 1227-1236 (1997)

  • [文献書誌] Lin,L., Yao,Y., Yoshioka,M., Shiraishi,N.: "Molecular Weights and Molecular Weight Distributions of Liquefied Wood Obtained by Acid-Catalyzed Phenolysis" J.Applied Polymer Sci.64(2). 351-357 (1997)

  • [文献書誌] Hiraoka,T., Ueda,M., Shiraishi,N, Koshijima,T.: "Effects of Lignin-Carbohydrate Complexes on Foaming of Benzylated Wood Without Plasticizers" Holzforschung. 51(3). 273-280 (1997)

  • [文献書誌] Lin,L., Yao,Y., Yoshioka,M., Shiraishi,N.: "Liquefaction Mechanism of Lignin in the Presence of Phenol at Elevated Tempeature without Catalysts Studieson β-04 Lignin Model Compound.I.Sbuctual Characterization of the Reaction Prodrts" Holzforschung. 51. 316-324 (1997)

  • [文献書誌] Lin,L., Yoshioka,M., Yao,Y., Shiraishi,N.: "Liquefaction Mechanism of Lignin in the Presence of Phenol at Elevated Tempeature without Catalysts. Studieson β-04 Lignin Model Compound. II.Reaction Pallrway" Holzforschung. 51. 325-332 (1997)

  • [文献書誌] Lin,L., Yoshioka,M., Yao,Y., Shiraishi,N.: "Liquefaction Mechanism of Lignin in the Presence of Phenol at Elevated Tempeature without Catalysts. Studieson β-04 Lignin Model Compound. III.Mulli Condsensation" Holzforschung. 51. 333-337 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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