研究課題/領域番号 |
08406013
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
白石 信夫 京都大学, 農学研究科, 教授 (70026508)
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研究分担者 |
吉岡 まり子 京都大学, 農学研究科, 助手 (30220594)
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キーワード | セルロースジアセテート / 生分解性高分子 / 可塑化 / グラフト重合 / 反応性可塑剤 / リアクティブプロセシング / 液化 / 液化機構 |
研究概要 |
木材・セルロースなどバイオマスから新規な生分解性高分子材料を作り出すという研究を、それらバイオマスを可塑化し、成形しうるプラスチック材料にするというテーマおよび多価アルコールやフェノール類の存在下でバイオマスを液化し、次に液化物を三次元硬化性の樹脂にするということに関連するテーマに大別して進めた。前者に関し、セルロースジアセテート(CDA)へのε一カプロラクトンとラクチドのグラフト共重合の検討をフラスコ法と二軸エクストルーダーを用いるリアクティブプロセシング法で行い、それぞれの手法でCDAが効果的に可塑化されること、その可塑化の程度と質は両モノマーの組成比、液比、触媒量で主として決まること、その際、導入グラフト鎖の凝集や、グラフト体間の凝集の質を変えうること、導入グラフト鎖のモノマー配列の決定を^1H-NMRスペクトルから行うことができ、それがグラフト鎖間凝集状態やグラフト体間の凝集状態を決めるキー因子となること、リアクティブプロセシングにより、小さい液比でのグラフト重合が可能となり、低度のグラフト重合で効果的な可塑化と物性改善をなし得ることなどを明らかにし、報文にまとめ投稿した。CDAへの乳酸とグリコール酸あるいは乳酸とε一カブロラクトンの重縮合反応によるグラフト重合についても検討し、それらにより効果的に可塑化しうると共に、生分解性も備えたプラスチック材料を作りうることを明らがにした。デンプンについて分子量低下を伴わないアセチル化法を検討し、得られた試料のグラフト重合による熱可塑性プラスチック材料化を行った。他方、後者の木材液化に関しては、バイオマスの連続液化法について実験的に調査すると共に、バイオマス液化物の三次元樹脂化を伴う発泡体、成形物への変換について検討した。さらに木材液化機構に関するモデル実験も推進し、特に酸触媒液化の機構について多くの知見を得た。
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