研究分担者 |
山内 啓太郎 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (70272440)
東條 英昭 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (20041668)
酒井 仙吉 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (80114487)
澤崎 徹 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (00012047)
高橋 迪雄 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (30011943)
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研究概要 |
1.形質転換動物の作出効率を向上させる手段して、Bal31とDpn1によるDNA消化とPCRとを併用したTg胚の選別を試みた。細胞質にDNAを注入し発生させたウシおよびマウス胚の98.6%で特異PCR産物は全く検出されなかった。一方、Tg胚のゲノムDNAを酵素処理した場合には、68.6%の胚でトランスジーンに特異的なPCR産物が検出された。また、70.5%のウシ胚でマーカー遺伝子に特異的なPCR物が検出され、Tg胚の選別に極めて有効であることが認められた。2.シバヤギの胎盤形成過程におけるホメオボックス含有遺伝子群の関与について検討した。degenerate oligonucleotide primersを用いたRT-PCR法による解析の結果、胎盤において多数のホメオボックス遺伝子の発現が同定された。その内、Hox a9,d9,Emx2,Msx2,ATBFIが発現していた。また、Hox a9,d9に関して妊娠の進行とともにその発現量が増加し、これらの遺伝子の発現が胎盤形成過程において何らかの役割を果たしていることが示唆された。3.シバヤギc-kit cDNAに見い出された特異的アラニン残基の挿入について、各種の動物を解析した結果、ウシ科の中でもヤギ、ヒツジに特異的な挿入であることが判明した。c-kitのリガンドであるSCFcDNAのクローニングを行なった結果、5つのisoformsが単離され、二つは、従来報告されている動物種にない新規のSCFのisoformsであった。今後は、これらのisoformsの生物学的意義について追求する予定である。
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