研究課題/領域番号 |
08406018
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
東條 英昭 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (20041668)
|
研究分担者 |
山内 啓太郎 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (70272440)
舘 隆 麻布大学, 獣医学部, 教授 (30011711)
酒井 仙吉 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (80114487)
澤崎 徹 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (00012047)
高橋 迪雄 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (30011943)
|
キーワード | トランスジェニック / 形質転換家畜 / 遺伝子導入 / EGFP / α-ガラクトース |
研究概要 |
1.前年度に引き続きEGFPをマーカーとしたTg胚の選別法について検討した。受精卵前核にCMV・β-actin/EGFP遺伝子を顕微注入し生存胚を体外培養した。その後、4細胞ー胚盤胞期に、それぞれ蛍光顕微鏡で観察し、後期胚について、モザイク様に発光した胚と全体に発光した胚とに分類した。一部を、Bal31・Dpnlを用いるTg胚選別法により、蛍光発光とTg胚との関係について解析した。他の胚は、偽妊娠ICRマウスの子宮へ移植し、生まれたマウスのTg個体について解析した。なお、対照には非発光胚を用いた。DNA顕微注入後に観察した胚の37.4%で蛍光が認められ、それらは、桑実期以後に強い発光が観察された。そのうち、14.8%が胚全体で、22.6%がモザイク様の蛍光が観察された。2.これらの発光胚を移植したところ生まれたマウスの約42%がTgマウスと判定された。一方、非発光胚でも極一部Tg胚の存在が確認された。3.さらに、発光胚を全体で発光する胚とモザイク様発光胚にそれぞれ選別し、Soeらの方法により個々の胚について解析したところ、全体に発光している胚の6/6がTg胚で、モザイク様発光胚の2/4がTg胚と判定された。これらの胚を移植した実験では、前者で76.9%、後者で21.6%のTgマウスが得られた。30分間の蛍光観察による胚の体外発生性率に及ぼす影響はほとんど認められなかった。以上の結果から、本手法が、Tg胚の選別に極めて有効であることが認められた。今後は、マーカー遺伝子と目的の遺伝子との融合遺伝子を導入する実験を計画している。
|