研究課題/領域番号 |
08406019
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
内海 恭三 京都大学, 農学部, 教授 (90033266)
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研究分担者 |
南 直治郎 京都大学, 農学部, 助手 (30212236)
酒井 裕 京都大学, 農学部, 助教授 (60089117)
山田 雅保 京都大学, 農学部, 助教授 (10243073)
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キーワード | 胚性ゲノムの活性化 / 初期胚の遺伝子発現 / NFkB / CCDイメージアナライザー |
研究概要 |
哺乳類初期胚の重要な遺伝子発現時期のひとつは、胚性ゲノムの活性化(ZGA)時期である。ZGAは動物種によって異なるが、マウスでは2細胞期で起こることが知られている。またマウス胚の体外培養において、この時期に一致して胚の発生ブロックが起こることが知られており、おそらくZGAの調節には胚発生の場である卵管環境が影響をおよぼしていると考えられる。また最近、申請者らは、細胞の増殖と機能のレドックス制御の中心的役割をしている転写因子のひとつであるNFkBが前核期胚において非常に強く発現していることを見いだしている。そこで、NFkBのサブユニットであるrelA(p65)のCOOH末端ペプチドを認識する抗体を用いた間接蛍光免疫抗体法で各発生ステージにあるマウス胚でのrelAの発現とその局在について共焦点レーザー顕微鏡を用いて観察した。その結果、前核期において最も強く発現し、しかもrelAの多くは核内に移行していることが明らかにされた。2細胞期から胚盤胞期までrelAは存在するが蛍光シグナルは発生ステージが進行するにつれて弱くなる傾向にあり、しかもその多くは細胞質に局在していた。従ってNFkBは前核期に活性化され何らかの遺伝子発現の調節を行っていることが示唆され、おそらくZGAの調節に関与している可能性が考えられた。さらに活性化relAのみを検知するために、現在、relAの核移行シグナル(NLS)ペプチド(KRKR)に対する抗体をの作製を行い、マウス前核期の核と強く反応する抗体の調整に成功している。また、申請者らは、ラット胚の発生を促進する活性をラット卵管抽出液中に存在することを明らかにしていることから、この因子によるNFkBの発現におよぼす影響を検討している。さらに微量な遺伝子発現量を半定量的に測定するため、CCDイメージアナライザーを用いた方法を開発した。
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