研究課題/領域番号 |
08406020
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用獣医学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
喜田 宏 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (10109506)
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研究分担者 |
伊藤 壽啓 鳥取大学, 農学部, 助教授 (00176348)
梅村 孝司 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (00151936)
藤田 正一 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (10143314)
前出 吉光 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (40002084)
中里 幸和 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (60001525)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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キーワード | インフルエンザウイルス / 病原性 / 宿主細胞因子 / 血管内皮細胞 / 血液凝固因子 / 汎発性血管内血液凝固症候群 / ニワトリ |
研究概要 |
ウイルスの病原性発現機構を宿主側の要因を詳細に解析することによって究明することを目的とした。そのため、ウイルス感染によって誘発される宿主細胞由来病原性因子の検出を試みた。インフルエンザウイルス感染発育鶏胚の奨尿膜を超音波破砕し、その可溶性画分をニワトリの静脈内に注射した。ニワトリは汎発性血管内凝固により数分以内に斃死した。この致死活性はヘパリンを静脈内に前投与することによって抑制されたことから、本因子は血液凝固に関与する物質と推定された。 陰イオン交換体を用いた高速液体クロマトグラフィーおよび塩析法によって病原性細胞因子を濃縮精製する系を確立し、粗精製致死因子をマウスに免疫して、モノクローナル抗体11クローンを作出した。 ニワトリの鼻腔内にインフルエンザウイルス強毒株と弱毒株を実験感染させ、経過を追及した。強毒株はウイルス血症を起こしたが、弱毒株はウイルス血症を起こさなかった。すなわち、強毒株を接種したニワトリでは全身臓器の血管内皮細胞でウイルス増殖が起こり、血管炎を招来した。強毒株の標的が血管内皮細胞であることが明らかになった。損傷した血管内皮細胞から血液凝固因子ならびにサイトカインが放出された結果、汎発性血管内血液凝固を起こし、ニワトリを死に至らしめるものと結論した。この成績はインフルエンザウイルス感染鶏胚奨尿膜から抽出した細胞因子がニワトリに血管内凝固を起す事実と一致する。 汎発性血管内血液凝固症候群は様々なウイルス感染症で認められる。したがって、この細胞因子はインフルエンザのみならず他のウイルス感染症においても病原性発現に重要な役割を果たすものと考えられる。ウイルス感染症の治療法を確立するため、本致死因子をコードする遺伝子を同定する必要がある。
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