研究課題/領域番号 |
08406021
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
日比 忠明 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (50261954)
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研究分担者 |
阿久津 克己 茨城大学, 農学部, 教授 (10151002)
高野 哲夫 東京大学, アジア生物資源環境研究センター, 助教授 (30183057)
白子 幸男 東京大学, アジア生物資源環境研究センター, 教授 (90143023)
高木 正道 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (50018339)
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キーワード | 溶菌酵素遺伝子 / グルカナーゼ / キチナーゼ / 遺伝子導入 / 形質転換植物 / 病害抵抗性植物 / 菌類病抵抗性 |
研究概要 |
1. イネ・キチナーゼ遺伝子(RCC2およびRCG3)ならびにイネ・β-1,3-グルカナーゼ遺伝子(Gns1 cDNA)を各々CaMV 35Sプロモーターの下流に連結して、いずれもアグロバクテリウム法によってイネ(品種 日本晴およびコシヒカリ)に再導入し、得られた再分化形質転換イネの当代(RO)およびその自殖後代(R1)各十数〜数十株について、サザン、ノーザン、ウェスタン解析および酵素活性の測定を行うとともに、イネいもち病菌(レース007.0および333)に対する抵抗性を検定した結果、いずれの場合にも多くの株で導入遺伝子の高発現とイネいもち病に対する著しい抵抗性の増強が認められた。現在、抵抗性の安定した後代株の選抜を進めている。 2. 灰色かび病に対して強度の抵抗性を示したイネ・キチナーゼ遺伝子(RCC2)導入組換えキュウリおよびトマト植物の自殖後代株(R1)を用いて、イネ・キチナーゼの発現を解析した。ELISA法によりイネ・キチナーゼ量を測定した結果、葉、花および果実の各器官でそれぞれ高い発現が認められた。次に、各器官の組織切片について間接蛍光抗体染色を行い、Cell Scanを用いた定量的画像解析を行った結果、イネ・キチナーゼは各器官の細胞内で検出され、その蛍光強度は本菌類病に対する抵抗性の強さと相関することが示された。 3. 接合菌類Rhizopus oligosporusの増殖菌糸より新たなキチナーゼ(ChiIII)を精製し、その遺伝子chi3単離した。このキチナーゼは細菌型であり、既に我々が単離・精製している本菌のキチナーゼChiIとは基質特異性や反応の至適条件が異なっていた。さらに、chi1が培養後期においてのみ発現しているのに対しchi3は活発に生長している菌糸中で発現していることが示された。
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