研究概要 |
1.カエル運動神経終末でのCa^<2+>誘起性Ca^<2+>遊離(CICR)と伝達物質の開口放出に於ける関与。 低Ca^<2+>(0.2mM),高Mg^<2+>(10mM)液中で、50Hzで持続的に神経を刺激すると、神経終末内のCa^<2+>([Ca^<2+>]_i)と微小終板電位(MEPP)の頻度が、数分間の時間経過で上昇し、これは、ライアノジン受容体の阻害剤で抑制される。この一過性の[Ca^<2+>]_i上昇の過程で種種の時間間隔で与えた休止後の急速な上昇の分析や、外液のCa^<2+>濃度の効果や、刺激頻度の異なるテタヌスの組み合わせの効果から、カカグ運動神経終末でのCICRの機構は、インパルスによるCa^<2+>流入により、高感度のCa^<2+>受容部位を介して、数10秒の時定数で脱不活化され、その後直ちに活性化され、Ca^<2+>の流入が停止すると、数10分の時定数で不活化されることが解った。 2.培養ウシガエルの交感神経節細胞でのCICRの活性化様式 細胞内Ca^<2+>測定の際のCa^<2+>感受性色素の濃度を、通常の50〜100μMから、10μMに減少すると、単一の活動電位によるCa^<2+>流入により、CICRが細胞膜直下で活性化されることが解った。又、この条件下では、細胞内Ca^<2+>上昇の伝播の速度は、50〜10μMのCa^<2+>感受性色素の存在下よりも数倍速いことが、明らかになった。 3.ウシガエル交感神経節細胞のニコチン性アセチルコリンシナプスでの2相性の長期増強 シプナス前世のテタヌス刺激により発生する長期増強に速い成分(60-90分以内)と遅い成分(90-120分後に出現)があり、この二つの相の間に伝達効率が刺激前の状態に戻る期間が出現することが解った。速い相は、50Hz,50パルス以上のテタヌス刺激でシナプス前性に出現し、遅い相は、50Hz,100パルス以上のテタヌス刺激で、シナプス前性と後性の両方の機序で出現することが解った。
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