研究課題/領域番号 |
08407006
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
月田 承一朗 京都大学, 医学研究科, 教授 (50155347)
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研究分担者 |
伊藤 雅彦 京都大学, 医学研究科, 助手 (70270486)
古瀬 幹夫 京都大学, 医学研究科, 助手 (90281089)
米村 重信 京都大学, 医学研究科, 講師 (60192811)
永渕 昭良 京都大学, 医学研究科, 講師 (80218023)
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キーワード | オクルディン / ES細胞 / タイトジャンクション / 相同組換え / 上皮細胞 / ドラッグデリバリー / 極性 / ターゲッティング |
研究概要 |
本年度は、マウスオクルディン遺伝子をES細胞レベルでダブルノックアウトし、オクルディンの機能を明らかにすることを試みた。型どおり、マウスのゲノムライブラリーからオクルディン遺伝子を単離し、構造を決定し、ターゲッティングベクターを作製し、相同組み換えによりES細胞のオクルディン遺伝子を一つ破壊した。さらに薬剤耐性を利用することによりもう一つの対立遺伝子も破壊した。このようにして得られたES細胞から、旋回培養によりEmbryoid Body(EB)を作製し、表面に上皮様の細胞が形成されるかどうかを検討した。その結果、意外なことに、オクルディン欠失ES細胞も、充分な極性を有した上皮細胞に分化できること、さらにはこのオクルディ欠失上皮細胞がよく発達したタイトジャンクションを細胞間に有することが明らかになった。 以上の結果を単純に解釈すると、オクルディンにアイソタイプが存在し、機能的重複が見られるのであろうということになる。しかし、これまでに我々を初め多くの研究室の努力にもかかわらず、オクルディンのアイソタイプがあるというデータは得られていない。したがって、タイトジャンクションに局在し、オクルディンと機能的には似ているが、異なる膜蛋白質が存在することを強く示唆している。タイトジャンクションの調節機構は、医学・生理学的に極めて重要な研究テーマであるが、特に病気の治療という面では、薬剤を患部に到達させるという観点から重要である。もし、タイトジャンクションを一過的にこわすことができれば、画期的なドラッグデリバリー法となる。このような目的のためにも、さらなるタイトジャンクション膜蛋白質の同定が待たれる。
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