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1997 年度 実績報告書

細胞極性と細胞間接着透過性を決定する接着分子オクリディンの構造と機能

研究課題

研究課題/領域番号 08407006
研究機関京都大学

研究代表者

月田 承一朗  京都大学, 医学研究科, 教授 (50155347)

研究分担者 伊藤 雅彦  京都大学, 医学研究科, 助手 (70270486)
古瀬 幹夫  京都大学, 医学研究科, 助手 (90281089)
米村 重信  京都大学, 医学研究科, 講師 (60192811)
永渕 昭良  京都大学, 医学研究科, 講師 (80218023)
キーワードオクルディン / ES細胞 / タイトジャンクション / 相同組換え / 上皮細胞 / ドラッグデリバリー / 極性 / ターゲッティング
研究概要

本年度は、マウスオクルディン遺伝子をES細胞レベルでダブルノックアウトし、オクルディンの機能を明らかにすることを試みた。型どおり、マウスのゲノムライブラリーからオクルディン遺伝子を単離し、構造を決定し、ターゲッティングベクターを作製し、相同組み換えによりES細胞のオクルディン遺伝子を一つ破壊した。さらに薬剤耐性を利用することによりもう一つの対立遺伝子も破壊した。このようにして得られたES細胞から、旋回培養によりEmbryoid Body(EB)を作製し、表面に上皮様の細胞が形成されるかどうかを検討した。その結果、意外なことに、オクルディン欠失ES細胞も、充分な極性を有した上皮細胞に分化できること、さらにはこのオクルディ欠失上皮細胞がよく発達したタイトジャンクションを細胞間に有することが明らかになった。
以上の結果を単純に解釈すると、オクルディンにアイソタイプが存在し、機能的重複が見られるのであろうということになる。しかし、これまでに我々を初め多くの研究室の努力にもかかわらず、オクルディンのアイソタイプがあるというデータは得られていない。したがって、タイトジャンクションに局在し、オクルディンと機能的には似ているが、異なる膜蛋白質が存在することを強く示唆している。タイトジャンクションの調節機構は、医学・生理学的に極めて重要な研究テーマであるが、特に病気の治療という面では、薬剤を患部に到達させるという観点から重要である。もし、タイトジャンクションを一過的にこわすことができれば、画期的なドラッグデリバリー法となる。このような目的のためにも、さらなるタイトジャンクション膜蛋白質の同定が待たれる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Sachiko TSUKITA: "ERM proteins : Head-to-tail regulation of actin/plasma membrane regulations." Trends in Biological Science. 22. 53-58 (1997)

  • [文献書誌] Sachiko TSUKITA: "ERM (Ezrin/Radixin/Moesin) family : From cytoskeleton to signal transduction" Current Opinion Cell Biclogy. 9. 70-75 (1997)

  • [文献書誌] Takahisa KONDO: "ERM (Ezrin/Radixin/Moesin)-based molecular mechanism of microvillar breakdown at an early stage of apoptosis." Journal of Cell Biology. 139. 758-767 (1997)

  • [文献書誌] Takeshi MATSUI: "Rho-kinase phosphorylates carboxy-terminal threonines of ERM proteins and regulates their head-to-tail association." Journal of Cell Biology. (1998)

  • [文献書誌] Toshinori DOI: "Moesin is not a receptor for measles virus entry into mouse embryonic stem cells." Journal of Virology. (1998)

  • [文献書誌] Shigenobu Yonemura: "ERM proteins bind to a specific group of integral membrane proteins containing a positively-charged amino acid cluster in their juxta-membrane cytoplasmic domain." Journal of Cell Biology. (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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