研究課題/領域番号 |
08407006
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
病態医化学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
月田 承一郎 京都大学, 医学研究科, 教授 (50155347)
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研究分担者 |
伊藤 雅彦 京都大学, 医学研究科, 助手 (70270486)
古瀬 幹夫 京都大学, 医学研究科, 助手 (90281089)
米村 重信 京都大学, 医学研究科, 講師 (60192811)
永渕 昭良 京都大学, 医学研究科, 講師 (80218023)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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キーワード | オクルディン / クローディン / タイトジャンクション / 細胞間接着 / カドヘリン / アドヘレンスジャンクション / ノックアウト / 内皮細胞 |
研究概要 |
マウスES細胞においてオクルディン遺伝子をダブルノックアウトしたところ、意外なことにオクルィンのないES細胞からよく発達したTJを持つ上皮細胞が分化した。このことはオクルディン外にTJを構成する膜蛋白質が存在することを決定的に意味していた。そこで、TJが濃縮してるジャンクションの分画から、ソニケーションおよびそれにづづく蔗糖密度勾配遠心の過程においオクルディンと挙動をともにする膜蛋白質を同定するという方向で解析を進めた。その結果、分子量22kDの膜蛋白質が候補にあがり、そのバンドを電気泳動ゲルから切り出して部分アミノ酸配列を決定した。その結果得られたアミノ酸配列からESTデータベースを検索したところ、マウスのESTクローンに同一のものが2種類見つかり、それを用いで22kDの膜蛋白質をコードする全長遺伝子が2つ単離された。この2つのcDNAによりコードされる蛋白質はお互いに相同性のある4回膜貫通型蛋白質で、培養上皮細胞に導入するとTJに濃縮した。そこでこれらの蛋白質をクローディン-1および‐2と名付けた。このクローディンをTJを持たないL細胞に導入すると、その細胞間にきわめてよく発達したTJが形成されることが分かった。さらに、オクルディンを強制発現させると、オクルディンはクローディンに引き込まれてともにTJを形成することが明らかになった。さらに、データベース検索を行うとクローディン-1と-2によく似た配列が多数見つかってきた。このことはクローディンが大きな遺伝子ファミリー(クローディンファミリー)を形成していることを示している。現在までに8種類のクローディンが存在することが明らかになり、そのcDNAおよび特異抗体の作製が進んでいる。以上の研究により、TJの機能を分子生物学的手法で細胞レベルだけでなく個体レベルでも操作することが可能になりつつあると思われる。
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