研究課題/領域番号 |
08407016
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
石井 裕正 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (20051500)
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研究分担者 |
中村 雄二 慶応義塾大学, 医学部, 助手 (80276253)
堀江 義則 慶応義塾大学, 医学部, 助手 (70229227)
横山 裕一 慶応義塾大学, 保険管理センター, 講師 (70200920)
加藤 眞三 慶応義塾大学, 医学部, 講師 (30177448)
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キーワード | Kupffer細胞 / 類洞壁細胞 / エンドトキシン / 酸化ストレス / アセトアルデヒド |
研究概要 |
本研究は各種の実験的肝障害モデルにおいて類洞壁細胞群、特にKupffer細胞からの活性酸素やNOの放出動態と肝細胞障害特に類洞壁細胞の障害、アポトーシスなどを時間的空間的な相関とその制御機構を解明することにある。昨年度まではエンドトキシン肝障害やKupffer細胞細胞と肝癌細胞の共培養した実験系においてNFkBの活性化、iNOSの誘導、NOの放出などの一連の関係を明らかにしてきた。 今年度はアルコールによる肝障害を潅流肝モデルにおいてKupffer細胞からのスーパーオキサイドの類洞壁への放出をcytochrome C法を用いて検討した。アルコール投与によりKupffer細胞から肝類洞ヘスーパーオキサイドアニオンが放出され、それが類洞壁細胞の障害をきたしていることを明らかにした。また、Kupffer細胞自身にエタノール代謝能があり、その代謝にはCytochrome P4502E1が関与していることを明らかにした。また、ラットにおいてin vivoの肝微小循環を生体顕微鏡下に観察し慢性的にエタノールを投与したラットにおいてはエンドトキシンによる肝微小循環障害がおきやすいことを明らかにしてきた。そして、その際に白血球の膠着が観察され、接着因子であるLFA-1β鎖に対する抗体は白血球の膠着と微小循環障害を抑制することを明らかにした。慢性エタノール投与後のラットではGRO/CINC(ラット IL-8)およびTNFの上昇を認め、白血球上にはLFA-1の表出が対照群に比して増強していることが観察された。以上の結果より、慢性エタノールラットではIL-8、TNF-αが増加し、接着因子が発現され、白血球の膠着悪、肝微小循環障害をきたしていると考えられた。
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