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1996 年度 実績報告書

アンジオテンシノーゲン遺伝子欠損マウスの循環調節機構に関する分子生物学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 08407020
研究種目

基盤研究(A)

研究機関横浜市立大学

研究代表者

石井 當男  横浜市立大学, 医学部, 教授 (90010363)

研究分担者 木原 実  横浜市立大学, 医学部, 助手 (60177904)
高木 信嘉  横浜市立大学, 医学部, 講師 (10163172)
梅村 敏  横浜市立大学, 医学部, 助教授 (00128589)
村上 和雄  筑波大学, 応用生物科学系, 教授 (70110517)
キーワードレニン・アンジオテンシン系 / アンジオテンシノーゲン / ジーンターゲッティング / レニン / アンジオテンシン受容体 / 遺伝子発現調節 / 神経型一酸化窒素合成酵素
研究概要

本年度は主にアンジオテンシノーゲン欠損マウス(Atg-/-)における臓器・細胞機能の変化に関するin vivoおよびin vitroでの検討を行った.
(1)Atg-/-の電解質代謝に関する基礎的検討:代謝ケージを用いた検討にて,Atg-/-は低血圧,多尿を呈し,尿中Na・Cl排泄量は低い傾向を示した.また,尿中アルドステロン排泄量は著明に低下し,血漿ADH濃度および尿中カテコールアミン排泄量は増加していた.以上からレニン・アンジオテンシン系が血圧維持および水電解質調節に必須であり,Atg-/-において賦活化されたADHおよび交感神経系はレニン・アンジオテンシン系の欠損を十分に代償し得ないことを明らかにした.現在塩分負荷の影響について検討中である.
(2)Atg-/-の腎血管の形態異常についての検討:Atg-/-においては腎の形態異常が報告されているが,Atg-/-の諸臓器の血管について生直後から55週まで経時的に光顕的に検索を行った.そして腎血管特異的に生後1週から高血圧と老化の存在なしにて良性腎硬化症に類似した弾性線維の増生,血管平滑筋細胞過形成,およびレニン含有細胞の増加を認めた.
(3)レニン遺伝子発現調節における神経型一酸化窒素合成酵素(N-NOS)の役割についての検討:Atg-/-の腎ではレニン遺伝子の過剰発現がみられるが,Atg-/-の腎の緻密斑においてN-NOSの発現がmRNAおよび蛋白レベルで増強していることを明らかにし,緻密斑でのNO産生の増加がレニン遺伝子の過剰発現に関与している可能性を示した.現在,Atg-/-の腎でのレニン遺伝子発現調節におけるc-Jun蛋白質の関与について検討中である.また消化管でのレニン遺伝子発現調節についても検討中である.
(4)Ang II受容体発現調節についての検討:Atg-/-の心についてligand binding assayおよびNorthern hybridizationを行い,定常状態のAng II受容体(AT1,AT2受容体)について検討し,Atg-/-のAT1受容体のmRNAでは変化がないものの結合能が増加していることを明らかにした.現在,中枢(視床下部,脳幹部),腎,および消化管でのAng II受容体(AT,AT2受容体)について塩分負荷の影響を含めて検討中である.

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Tamura K: "Tissue-specific regulation of angiotensinogen gene expression in spontaneously hypertensive rats." Hypertension. 27. 1216-1223 (1996)

  • [文献書誌] Morishita R: "Role of transcriptional cis-elements,angiotensinogen gene-activating elements,of angiotensinogen gene in blood pressure regulation." Hypertension. 27. 502-507 (1996)

  • [文献書誌] Tamura K: "Modulation of tissue angiotensinogen gene expression in genetically obese hypertensive rats." Am J Physiol. (in press). (1997)

  • [文献書誌] Takahashi D: "Relationship between hepatic angiotensinogen mRNA expression and plasma angiotensinogen in patients with chronic hepatitis." Life Sci. (in press). (1997)

  • [文献書誌] Umemura S: "Plasma angiotensinogen concentrations in obese patients." Am J Hypertens. (in press). (1997)

  • [文献書誌] Kihara M: "The neuronal of constitutive nitric oxide synthase is upregulated in the macula densa of angiotensinogen gene-knockout mice." Lab Invest. (in press). (1997)

  • [文献書誌] 石井當男: "高血圧とレニン・アンジオテンシン系-最近の進歩-.循環器専門医" 総合医学社(東京), 220 (1997)

  • [文献書誌] 田村功一: "アンジオテンシン受容体拮抗薬.新時代の降圧薬療法." 新興医学出版社(東京), 265 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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