研究課題/領域番号 |
08407021
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
橋本 公二 愛媛大学, 医学部, 教授 (00110784)
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研究分担者 |
藤山 幹子 愛媛大学, 医学部, 助手 (60263935)
白方 裕司 愛媛大学, 医学部, 助手 (50226320)
中岡 啓喜 愛媛大学, 医学部, 講師 (30172266)
玉井 克人 弘前大学, 医学部, 講師 (20236730)
花川 靖 愛媛大学, 医学部, 助手 (90284398)
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キーワード | アデノウィルスベクター / 表皮細胞 / ベータ・ガラクトシダーゼ / 遺伝子導入 / 無血清培養法 / 三次元培養皮層 |
研究概要 |
本研究は三次元培養皮膚の臨床応用とアデノウィルスベクターを用いた遺伝子導入法の検討を行った。 1.三次元培養皮膚の臨床応用:従来の表皮のみの培養表皮シート移植患者2例について三次元培養皮膚を作成し、難治性潰瘍面に移植を行った。真皮成分に相当するコラーゲンゲル内に患者自身の線維芽細胞を播種し、その上に患者の培養角化細胞を播種し空気曝露にて重層化させた三次元培養皮膚を移植した。移植片は培養表皮シート移植と比較して生着性が格段に向上し、上皮化にかかる期間の短縮が認められた。 2.三次元培養皮膚へのアデノウィルスベクターを用いた遺伝子導入:2種類のアデノウィルスベクター(AdexLacZ,AdexGFP)を用いた。平成10年度では線維芽細胞を含むゲル上にケラチノサイトを播種する直前にAdexLacZ,AdexGFPを感染させてその発現を観察したが、本年度は完成された三次元培養皮膚の表皮と真皮の間にAdexLacZ,AdexGFP液を注入した。経時的に組織を採取し、LacZ、GFPの発現をみたところ、感染後2日目には表皮にLacZ,GFPの発現が認められた。遺伝子の発現はほぼ全層にわたり発現が認められ、基底層にも十分の発現が認められた。また、重層化前に感染させた場合と比較すると、発現量、基底層での発現は重層化した後に遺伝子導入したほうが発現が高かった。従って、将来の遺伝子治療を行う場合には三次元培養皮膚が完成したあとで遺伝子導入をするほうが効果が高いことが判明した。
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