研究課題/領域番号 |
08407021
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
皮膚科学
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
橋本 公二 愛媛大学, 医学部, 教授 (00110784)
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研究分担者 |
藤山 幹子 愛媛大学, 医学部附属病院, 助手 (60263935)
白方 裕司 愛媛大学, 医学部, 助手 (50226320)
中岡 啓喜 愛媛大学, 医学部, 講師 (30172266)
玉井 克人 弘前大学, 医学部, 助教授 (20236730)
花川 靖 愛媛大学, 医学部, 助手 (90284398)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1999
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キーワード | アデノウィルスベクター / 表皮細胞 / ベータ・ガラクトシダーゼ / 遺伝子導入 / 無血清培養 / 293細胞 / MOI / Stem cell |
研究概要 |
表皮細胞のStem cellの同定には通常β1 integrinの高発現などのマーカーが用いられるが、もっとも本質的な特徴は、高度な分裂能力である。従って、培養表皮細胞におけるStem cellの同定には、senescenceに達するまで培養を続けることにより、Stem cellに富んだ培養表皮細胞を分離できる。このような考えのもとに、1歳から70歳までの15人の正常人から得た表皮細胞をsenescence達するまで培養したところ、population doubling(PD)は5.7から45.2までと広範囲に分布し、Stem cell数は、donorにより異なることが示唆された。PDはdonorの年齢が1歳前後で高い傾向がみられたが、45歳の女性から得られた表皮細胞のPDも41.3となり、必ずしも年齢で規定されているのではないことが明らかとなった。これらの培養表皮細胞のstrainは、PDに基づいて、short、intermediate、longに分類され、これらの細胞を用いることにより、表皮Stem cellのより詳細な解析が可能となると考えられた。三次元培養皮膚の構築成分の組織学的検索:三次元培養皮膚を作成し、基底膜構成成分、細胞接着分子、分化抗原について免疫組織学的ならびに電子顕微鏡的に検討した。強固な角層の形成が認められ、細胞接着分子、分化マーカーは正常表皮と同様に十分に発現していた。基底膜構成成分であるヘミデスモゾームの形成は良好で、類天疱瘡抗原、β4 integrinは十分に発現していたが、基底板、係留繊維の形成は不連続で、不完全なものであった。三次元培養皮膚へのアデノウィルスベクターを用いた遺伝子導入:2種類のアデノウィルスベクター(AdLacZ,AdGFP)を用いた。繊維芽細胞を含むゲル上にケラチノサイトを播種する直前にAdLacZ,AdGFPを様々なmoiで90分間感染させた。播種後2-3日間液相下で培養し、その後空気曝露にて重層化させた。経時的に組織を採取し、LacZ,GFPの発現をみたところ、感染後5日の段階で表皮にLacZ,GFPの発現が認められた。遺伝子の発現は基底層よりも有棘層から上層で強い発現が認められた。遺伝子導入による細胞へのダメージはmoi10まででは認めなかった。また、重層化させた後にアデノウィルスを感染させても基底層には遺伝子の発現はみられなかった。アデノウィルスベクターを用いた三次元培養皮膚への遺伝子導入は可能であり、導入された遺伝子は7日間は発現が持続していることが判明した。
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