研究課題/領域番号 |
08407023
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
玉木 長良 北海道大学, 医学部, 教授 (30171888)
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研究分担者 |
北畠 顕 北海道大学, 医学部, 教授 (00124769)
宮坂 和男 北海道大学, 医学部, 教授 (60001939)
塚本 江利子 北海道大学, 医学部, 講師 (40201636)
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キーワード | emission tomography / metabolism / myocardium / myocardial blood flow |
研究概要 |
1. 初年度研究費で購入した核医学画像処理装置を利用し、SPECT画像とMRIなどの形態画像を立体表示し、三次元的に重ね合わせできることを確認した。特に脳においては既存のソフトウェアにおいてMRIとSPECT像の重ね合わせを行い、SPECTの集積低下が実際の血流低下によるものか、脳萎縮による部分容積効果による見かけ上の低下によるものかの鑑別に有効であることが明らかとなった。脳における核医学画像処理装置の経験を、今後心筋での病態解析に活かすことができるものと期待される。 2. 臨床では心電図同期心筋血流SPECT検査法を用いて心機能と心筋血流の同時解析ができるようになった。その結果、虚血性心疾患の予後に関係する重要な情報の得られることが確認できた。近年心筋血流と心機能マップ、さらには左室容積から駆出率まで全自動で解析できるソフトウェアが開発され、血流と機能の同時評価がますます一般臨床に定着することが期待される。 3. 急性心筋梗塞例での血流と代謝の経時的観察をSPECTにて行った所、急性期の血行再建術前後での血流の変化からリスク心筋、梗塞心筋、および救済された心筋を定量的に評価できた。他方代謝の変化は血流の変化に比べてかなり遅れるため、血流の改善した発症1週間後のBMIPP-SPECTでもリスク心筋をある程度推定できることが確認された。さらには代謝異常の検討を肥大型心筋症に応用した所、肥大心筋ではブドウ糖や酸素代謝異常を呈するよりも高率にBMIPPの低下を示すことが確認された。このことより脂肪酸代謝異常が心筋症においてより早期に生じていることが示唆された。現在心筋代謝の検討はPETにより定量的に行われるようになったが、SPECTではまだ定量的解析は進められていない。血流分布の定量的解析とあわせて検討することで、心筋の病態解析がさらに進められることが期待される。
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