研究課題/領域番号 |
08407024
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
板井 悠二 筑波大学, 臨床医学系, 教授 (30010268)
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研究分担者 |
赤塚 孝雄 山形大学, 工学部, 教授 (80091875)
武田 徹 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (10197311)
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キーワード | Phase contrast x-ray / Large object imaging / CCD detector / Simonochromator / diagnostic radiology / biological object |
研究概要 |
従来X線の画像は、透過してきたX線強度の変化をとらえ形成されてきた。我々は、今までのX線生体計測で用いられてこなかった、干渉X線を利用した新しい画像作製を試みている。干渉X線利用の利点は、従来の透過X線に比べ原子番号の低い元素(水素、炭素、酸素等)の違いを位相差として高い感度で捉える事が可能なため、正常細胞やガン細胞等の構造の違いを無造影で高精細に描出できる点である。我々は、5mm大の小さな試料が撮影可能な干渉計を用いた実験を行ない、ガン細胞等を無造影で高精細に描出できる事を確認した。 本研究では、数cm大の試料を短い波長のX線で撮影し干渉X線画像を得るために、大型X線干渉計を作製し、実際に大きな試料を観察できるか基礎的な検討を行った。また、従来の装置を用い生体の組織の位相X線CT画像を作成し、実際に位相型X線画像で何が見られるか検討した。 幸いにも、精度30ミクロン以下で作製しなければならず非常に作製が困難と思われた、一体型の大型干渉計が作製でき、30mm x15mmの視野の画像が得られる事が確認された。本干渉計を用い、大視野の画像が一度に撮影できるイメージングプレートを用いて位相画像を撮影した。病理標本の肝臓ガン画像およびラットの肝臓のプロジェクション画像を得る事ができた。位相X線CTによりガン組織は、小さな位相値を有する事が明らかとなった。
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