研究概要 |
現行の体腔内超音波システムは、プローベの移動により連続的な断面像を得ているが、それぞれの断層像は正確な位置情報を持っていない。そこで絶対的な位置情報を獲得する目的で、プローベをパルスモーターを使って機械的に移動させる方法を試みたが、管腔内での物理的抵抗発生時の安全システムに問題があることが分かり、プローベの移動を用手的な方法に切り替えた。用手的なプローベの移動によってもほぼ正確な長軸方向の位置情報の獲得が可能であり、かつ物理的抵抗発生時にはプローベの移動を停止することができ安全であることが判明した。 以上の方法を用い得られた断層画像を3次元画像再構成ソフトウエアーを用い立体化した。問題点として、PTCDチューブ内では長軸方向の位置情報はほぼ正確であるが、チューブの屈曲のために管腔の短軸方位の位置情報が失われ、画像に歪みが生じた。この歪みをソフトウエアー上で補正する方法を現在検討中である。また3次元画像再構成の際の閾値の設定も重要な問題であるが、現状の設定閾値では当初の目的であった層構造レベルでの3次元化は困難であり、さらに症例を蓄積することにより最適な閾値を求めていく予定である。 胆管壁に沿って拡がる胆管腫瘍の診断において、本法は他の画像診断(CT,MRI,US,PTCDチューブ造影など)に比べ、胆管内から腫瘍を描出し3次元化する点が特有であり、さらに臨床例を重ねることにより有用性を検討していきたい。
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