研究課題/領域番号 |
08407026
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
北 徹 京都大学, 医学研究科, 教授 (60161460)
|
研究分担者 |
石井 賢二 京都大学, 医学研究科, 助手 (00212811)
若月 芳雄 京都大学, 医学研究科, 講師 (40220826)
横出 正之 京都大学, 医学研究科, 講師 (20252447)
土井 俊夫 京都大学, 医学研究科, 講師 (60183498)
村上 元庸 京都大学, 医学研究科, 助教授 (10157761)
|
キーワード | 粥状動脈硬化 / 酸化LDC / リゾフォスファチジルコリン / LOX-1 / MAPキナーゼ / PZ-3キナーゼ / サイトカイン / シアストレス |
研究概要 |
本研究においては、動脈硬化の発生、進展に強く関与すると考えられる酸化LDL中のリン脂質リゾフォスファチジルコリン(LPC)による血管内皮細胞での遺伝子発現における細胞内情報伝達経路、転写調節機構の解明を進めている。本年度の研究によるLPCはEXR,JNKなどのMAPキナーゼ経路を活性化し、これらは蛋白チロシンリン酸化に依存することが明らかとなった。現在MAPキナーゼの活性化と遺伝子転写制御との関連につきさらに研究を進めている。またLPCは活性酸素を産生させるが、その機序としてP13キナーゼの活性化を介していることが明らかとなった。 一方、血管内皮細胞において酸化LDLの細胞内への取り込みを支える新たな受容体LOX-1を申請者らは同定したが、この新規受容体の発現調節につき本年度は検討した。培養血管内皮細胞において、LOX-1の発現は炎症性サイトカインであるTNF-αにより、転写の段階で強く誘導されることが示された。また、力学的な刺激である血流シアストレスによってもLOX-1の発現は転写の段階で誘導され、その機構として細胞内カルシウムの増加が関与することが明らかとなった。現在さらに、LOX-1のリガンド特異性、生体内における発現およびその病態における意義などにつき研究が進められている。
|