研究課題/領域番号 |
08407029
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
磯野 可一 千葉大学, 医学部, 教授 (70009489)
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研究分担者 |
剣持 敬 千葉大学, 医学部・附属病院, 助手 (50215133)
中郡 聡夫 千葉大学, 医学部・附属病院, 助手 (10261918)
中島 一彰 千葉大学, 医学部, 助手 (20261919)
軍司 祥雄 千葉大学, 医学部, 助手 (60241957)
浅野 武秀 千葉大学, 医学部, 講師 (80143311)
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キーワード | Thermal ablation / 変調周期超音波 / 集束超音波 / ホットナイフ / VX2移植肝腫瘍 / 局所的抗腫瘍 / 肝腫瘍 / Cavitation Suppression Technique |
研究概要 |
集束超音波による細胞死を解析し、低侵襲で有効な局所的抗腫瘍療法の開発を目的として研究を開始した。 平成9年度は新たに設計開発した集束超音波体内深部照射装置を用いて、家兎肝を用いた深部照射を行い、照射と組織障害について検討した。新たに開発した装置はエネルギー量を格段に高くすることが可能であることから、集束超音波照射部位を瞬時に60度C以上の高温にすることでネクローシスによる細胞死を惹起することが出来る。集束超音波の1dot単発照射では、肝組織を直径2mm高さ10mmの円柱状に灼熱壊死せしめることができた。しかし照射による壊死組織は5ないし7日目にはその周囲に拡がっており、熱による変性壊死以外の、別な機序の細胞死領域があることが推測された。次年度において、集束超音波照射によって産生される活性酸素種を、本年度に導入したESR(電子スピン共鳴法)装置にて解析し、熱変性領域とその周囲領域の細胞死の成り立ちの違いとその制御について検討したい。 また、集束超音波の多点照射では、照射予定領域の手前のみが焼灼されたため、標的領域全域を焼灼し得る新たな照射法の確立が課題となった。そこでCavitation Suppression Technique(CAST)として変調周期超音波を導入しキャビテーションの発生抑制による焼灼領域の局所制御性を向上させた。その効果を家兎を用いて検討したところ、CAST不使用時には焼灼領域は標的領域の手前に変位したが、CAST使用時の照射では標的領域への正確な焼灼が可能であり、本法を用いてVX2移植肝腫瘍を全領域焼灼し得た。
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