研究概要 |
1,ラット肝移植PNFモデルの作製とApoptosis われわれは、虚血再潅流傷害・Primary non-function(PNF)機序解明のため、ラット肝移植の系を確立した。本実験を用いて、24時間UW液に保存したBNラットの肝臓を同系ラットに移植し、PNFの発生を確認した。再潅流後4時間の肝組織をApoptag kit(TUNEL法)で染色し、PNFの肝組織中にApoptosisが存在することを示唆した。今後、TUNEL法で染色された細胞がDNAラダー、電顕等にてApoptosis細胞であることを証明する予定である。また、Apoptosis indexを測定し、PNF発生との相関を検討する予定である。 2,ラット肝組織内Kupffer細胞への遺伝子導入 BNラットの肝移植モデルにおいて、ラクテック冷保存中の肝に経門脈的にFITCにてラベルされたオリゴヌクレオチドを封入したHVJ-1iposomeを投与し、類洞内のKupffer細胞への遺伝子導入が可能であることを確認した。また、副作用に関しては、遺伝子導入群と遺伝子非導入群との間で、GOT、GPT、並びに7日間生存率に有意な差がないことを確認した。今後、虚血再潅流傷害・PNFに関与するサイトカインとして、Kupffer細胞が産生するTNF-αに注目し、そのm-RNAに対するアンチセンスオリゴヌクレオチドをKupffer細胞に遺伝子導入し、虚血再潅流傷害軽減効果を検討する予定である
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