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1999 年度 実績報告書

肝移植後早期のグラフト機能不全の機序解明とその制御に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 08407031
研究機関九州大学

研究代表者

杉町 圭蔵  九州大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00038762)

研究分担者 野本 健一  九州大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (50315090)
西崎 隆  九州大学, 大学院・医学部, 助手 (70253416)
キーワード肝移植 / 虚血再潅流障害 / IL-1β / TNF-α
研究概要

【目的】
University of Wisconsin液(UW液)の導入は、臓器の保存時間とqualityを飛躍的に向上させたが、虚血再潅流傷害に関わる問題は十分に解決されていない。kupper細胞から放出されるIL-1β、TNF-αなどの炎症性サイトカインは再潅流後肝傷害の主要因子と考えられているが、その制御方法は十分に確立されていない。本研究では、ラット肝移植モデルにおいて、IL-1β及びTNF-α合成阻害剤であるFR167653(藤沢薬品工業)の効果を評価し、炎症性サイトカイン抑制の重要性を検討する。
【材料・方法】
雄性Brown-Norwayラット240-280gを使用。肝を摘出後、4℃UW液に48時間冷保存。
Kamadaらのカフ法にてレシピエントに同所性に移植し、門脈血流再開直後に陰茎静脈よりFR167653(1mg/ml)を投与(FR群)。コントロール群は生理食塩水を投与。(1)血清AST、ALT値(2)肝組織所見(3)肝内IL-1β、TNF-αmRNA発現(4)肝内tissue factor(TF)発現(5)生存率を検討した。
【結果】
FR群では再灌流12時間後のAST、ALT値がともに有意に低値を示した。(AST:P<0.05、ALT:P<0.02)。再灌流12時間後の肝組織所見は、コントロール群で著明な類洞内鬱血、肝細胞のmicrovesicular steatosis、類洞構造の破壊を認めたのに対し、FR群ではこれらの変化が軽度であった。RT-PCRによる肝組織中IL-1β、TNF-αmRNAの発現は、FR群において著明な減少を認めた。また、移植後生存率もFR群で有意に改善された。(12.5%vs.75%,p<0.01)。以上の結果より、炎症性サイトカイン抑制により移植後の虚血再潅流傷害を軽減できた。

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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